6月に読んだ本をまとめました。
基本、人気作家さん、話題の本を中心に読んでいます。
本を普段あまり読まない、全く読まない、読む時間があまりない方でも選びやすいように、読みやすさを★で表示しています。参考にしてみてください。
★★★★★ とても読みやすい
★★★★ 読みやすい
★★★ 普通に読める
★★ 少し難しい
★ 難しい
書店に行ってもどの本を手にとったら良いか迷っていたら、是非参考にしてくださいね。
神去(かむさり)なあなあ日常 三浦 しをん
新刊が発売されると必ずランキング上位に入る直木賞も受賞された作家です。映像化化されている作品も多くその一つ。(映像化タイトルは「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」)代表作には「まほろ駅前多田便利軒」「舟を編む」など。
鹿の王 上橋 菜穂子
強大な帝国・東乎瑠から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てるが!?たったふたりだけ生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かう。壮大な冒険が、いまはじまるー!
2015年の本屋大賞作品。4巻ある長編なので★は4つにしていますが、ファンタジー小説が好きな方にはおすすめ。
特に病に対する記述はコロナ時代にシンクロしている部分も多い。(実は日本医療小説大賞も受賞している。)児童文庫レーベル「角川つばさ文庫」からも出ているので、子供さんにも是非読んで欲しい物語。
コンビニ人間 村田 沙耶香
「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて…。現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作。
芥川賞受賞作品は比較的解釈が難しいものが多いのですが、この作品は難しい表現もなく読みやすい。ページ数も少ないのでさらっと読め、現代社会の問題に深く考えされられる。芥川賞作品の入門編として是非。
レモンタルト 長野 まゆみ
姉は若くして逝った。弟の私は、姉の夫だった義兄と、遺された一軒家でふたり暮らしをしている。会社では無理難題を持ちかける役員のもとで秘密の業務にあたり、私生活でも奇妙な事件ばかり。日増しに募る義兄への思いと、亡き姉への思慕。もどかしい恋の行方と日常にひそむ不思議を、軽やかに紡ぐ連作集。
女性ファンが中心の作家。耽美的でユニセックスな作風が多く、いわゆる今人気の「BL」の雰囲気がほのかに漂う作品も多く人気。「冥途あり」で泉鏡花文学賞を受賞している。
かがみの孤城 辻村 深月
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような建物。そこにはオオカミの面をつけた少女が待ち受け、こころを含め、似た境遇の7人が集められていた。城に隠された鍵を探すことで願いが叶えられるという。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。本屋大賞受賞作。
2018年の本屋大賞作品で、計発行部数が100万部を突破。著者は「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞している実力派でもある。ミステリー要素を盛り込んだファンタジー作品。上下巻ボリュームがあるが一気に読め、子供から大人まで楽しめる。
夜空に泳ぐチョコレートグラミー 町田 そのこ
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のことー。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。
R-18とあるが、ソフトR-18くらい。2021年「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞を受賞した作家のデビュー作。登場人物がかなりつらい状況であったり、深刻な悩みを抱えているが、読後感は良い。5つの短編に分かれているので、合間にちょっとずつ読める。女性のための物語。
華氏451度 レイ・ブラッドベリ
華氏451度ーこの温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく…。本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!
海外作品のSF小説新訳版。テレビで取り上げられ、「SNS社会の現代文明を風刺している」と話題に。今月のランキング上位になった。SF小説で昔の海外作品なので、読みなれていない人は慣れるのに時間がかかるかもしれないが、込められているメッセージは深い。時代を超えて読み継がれる不朽の名作。
太陽のパスタ、豆のスープ 宮下 奈都
結婚式直前に突然婚約を解消されてしまった明日羽。失意のどん底にいる彼女に、叔母のロッカさんが提案したのは“ドリフターズ(やりたいこと)・リスト”の作成だった。自分はこれまで悔いなく過ごしてきたか。相手の意見やその場の空気に流されていなかっただろうか。自分の心を見つめ直すことで明日羽は少しずつ成長してゆく。自らの気持ちに正直に生きたいと願う全ての人々におくる感動の物語。
集英社「ナツイチ」でおススメの1冊。著者は2016年「羊と鋼の森」で本屋大賞を受賞。主人公を取り巻く状況や、気持ちの揺れ動きに多くの女性が共感できる。毎日を大切にしたくなる、優しい気持ちになる物語。