夜空に泳ぐチョコレートグラミー 町田そのこ

町田そのこ
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今年(2021年)の4月に「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞を受賞された町田そのこさん。

調べてみると、以前、新潮社主催の「女による女のためのR-18文学賞」を受賞されていて、その時の選考委員が、三浦しをんさん、辻村深月さんと私の好きな作家さんだったので、「これは絶対私の好きなやつだ!」という直感がありました。

story

思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のことー。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。

5つの短編は、それぞれに魚や水に関係するタイトルがつけられていて、そのせいか雨の描写が多いのだけれど、その情景描写や表現がとてもかわいらしくて、ふわふわした感じもして、切なくて好きです。

片親だったり、親と折り合いが悪かったり・・・何か生きづらい生活を送っていて、そこからある出会いによって、進む道を自分で見つけていく。

中々悩みや本心を人に打ち明けるのって勇気いりますよね。私は、あんまり言えない人です。信頼している人がいればその人に打ち明けるけれど、近くにそういう人がいなかったら、まず話せる人探しからっていうのが、もう「顔が汚れて力が出ないよ!」のアンパンマン状態。通りすがりの人なら意外と赤裸々に話せたりするのかな。SNSとか。でも、本当にそういう人に出会えたらもう、それは運命の人!親友とか、恋人とか、恩人?とか恩師とか、大切にしたい。

海を目指す人、水槽に戻る人、魚に例えているのが素敵。

物語の色々なところに仕掛けがあって、タイトルと物語がリンクした時が、秀逸!!多くの女性に読んで欲しいな!

ウィキペディアで著者の好きな作家さんに小川洋子さんを挙げられていたのですが、私も昔から好きで、なるほどと納得。「52ヘルツのクジラたち」の文庫化も早くも待ち遠しいです。

こういう話は、アニメ化は難しいと思うけれど、「聲の形」(原作はコミックですが)など中々上手に心を抉ってくるアニメもあるので、期待したい。

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