読書ブログ2021年12月に読んだ本

読書日記月別
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12月に読んだ本をまとめました。
基本、人気作家さん、話題の本を中心に読んでいます。

今回から私の満足度、おススメ度でをつけています。

★★★★★ とても良かった!!人に薦めたい!これを読まないなんて、人生損している!

★★★★  とても良かった!充実した時間をありがとう。是非、読んでみてください!!

★★★   読んで良かった。面白かったです。読んで損はない!

★★    少し難しかったかな?あなたの意見を聞かせてください。

     う~ん、今の私には難解だった。また、再挑戦します。

あくまで私の基準です。本選びの参考になればうれしいです。

愛なき世界 三浦 しをん

★★★★

2019年の本屋大賞ノーミネイトされた三浦しをんの新刊。12月初めに投稿したにもかかわらず当ブログ2021年下半期閲覧数ランキングが8位に入りました。注目度の高い作品です。

T大学の近くにある洋食屋で、料理人見習い中の青年、藤丸が大学院生本村さんに恋をした。本村さんに思いを寄せつつ、交流を重ねるうちに彼女の研究する植物の世界の魅力を知ってゆく…

青春の淡い恋心が素敵な物語。同時に植物の表現がとても魅力あふれていて、かわいらしく愛着がわいてきます。遺伝子の研究をしている場面では、研究に使う器具や機械の名称、草木の構造などの専門用語も知ることができる。恋も植物も料理も好きなことに夢中になれる彼らの青春研究小説です。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「愛なき世界」三浦しをん

プラナリア 山本 文緒

★★★★

今年10月に亡くなられた山本文緒さんの直木賞受賞作品。

二年前に離婚して、未だ無職の泉水涼子は慰謝料で衝動的に買ったマンションに一人で暮らしている。自堕落な生活を続けていたが、ある日彼女に憧れていたという元部下と再開して…

無職がテーマの短編集。女性あるあるの悩みや不満を包み隠さず本音で描いています。
女性にとって離婚は大きな痛手で、社会的にもマイナスのイメージがあります。そういった生きづらい社会で必死にもがく女性の姿に共感できるところも多く、決して他人事とは思えません。

社会通念上、女性のアイデンティティが認められない場面も多い今日、ほとんどの女性がなんとなくストレスを感じているのではないでしょうか。個性だと許される境界線はどこなのか、深く考えさせられる作品です。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「プラナリア」山本文緒

ノースライト 横山 秀夫

★★★★★

ベストセラー小説「64」から6年、待ちに待った横山秀夫の新作。こちらも集計期間が8日しかないにも関わらず、当ブログ2021年下半期閲覧数ランキングが10位に入った人気作品です。

「全てお任せします。青瀬さん、あなた自身が住みたい家を建てて下さい。」
クライアントからそう言われ、建築士の青瀬稔は彼自身の代名詞ともいえる最高傑作の家を建てた。しかし、絶賛され、彼の名をあげたその家には誰も住んでいないことを知る。プライドを傷つけられ、自信が揺らいだ青瀬はその真相を知るために、持ち主を探し始めたが…

重厚な人間ドラマが魅力的な著者の作品は、等身大の人物像がとてもリアル。この作品も家族や同僚の関係、仕事の評価、夢など決して表面的ではない人生の機微まで描き切っています。どの登場人物も人間くさく、それぞれ人生のストーリーを連想させ共感できる。心動かされる人間ドラマとミステリーの面白さを兼ね備えた物語は涙なしには読めません。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「ノースライト」横山秀夫

X’mas Stories 朝井リョウ あさのあつこ 伊坂幸太郎 恩田陸 白河三兎 三浦しをん

★★★★

豪華作家陣によるクリスマスがテーマのアンソロジー。
恋人たちにとって、クリスマスは恋の魔法にかかるロマンチックな日。子供たちにとってはサンタさんからプレゼントがもらえるうれしい日。そんな日に起こった6つの奇跡の物語です。

クリスマスの物語といえば王道ラブストーリーなはずですが、ちょっと切ない話だったり、ホラー風味があったり、お仕事小説のようだったり、未来の話?だったり、お侍さんが出てきたり…人気作家の手にかかれば一筋縄では行きません。また、切ない話から、思わず笑ってしまうようなコミカルな話までバラエティに富んだ一冊になっています。

どれも読みやすく、最後は心温まる結末にほっこり。寒い日の心のカイロに。

あちらにいる鬼 井上 荒野

★★★★

「モデルに書かれた私が読み傑作だと、感動した名作!!」「作者の未来は、いっそうの輝きにみちている。百も千もおめでとう」と瀬戸内寂聴さんも大絶賛のこの作品は、瀬戸内寂聴さんとその恋人井上光晴さん、そしてその妻をモデルに三者の愛と日常を描いている。著者は井上夫妻の娘、井上荒野さんというから驚きです。

この不思議な三角関係がなぜ何十年も続いたのだろうか。家族である著者でさえ簡単に踏み入ることが出来なかった彼らの心の内を、幼い頃の記憶をたどりながら考え想像しながら書いたという。また、瀬戸内寂聴さんには何度も取材を重ね、当時の彼女の心境も作品に反映させている。

映像化も決定しているこの作品は、恋敵でありながらもシンパシーを感じてしまうこの二人の女性の視点で描かれています。彼女たちの本音から愛する人への不安や幸福が入り混じった複雑な感情が伝わってきます。今注目の問題作。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「あちらにいる鬼」井上荒野

半自叙伝/無名作家の日記 菊池 寛

★★★★

著者の菊池寛は小説家の他に実業家としての顔を持ち、文藝春秋社を興した人物。「芥川賞」「直木賞」などを創設し、文壇の大御所とも呼ばれていました。また、芥川龍之介や久米正雄の親友である彼は、同人誌第四「新思潮」の一員としても有名です。

これは菊池寛が思い出すままに、半生を振り返った自叙伝。幼少期の頃から、学生時代、時事新報に勤めていた時代の出来事、また、その時代の交友関係や恩師、その他文豪について綴られています。その詳細さはWikipediaに載っていることの半分は当書から抜き出したと思われるくらい。
これを読めば彼の人となりを知ることができます。

その他、不毛な京都大学時代を描いた「無名作家の日記」や、芥川龍之介の自殺についても語っている「芥川の事ども」なども収録。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「半自叙伝/無名作家の日記」菊池寛
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