2025年 本屋大賞 (2/4更新)

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2025年 本屋大賞ノミネート作品

本屋大賞とは、全国の書店員が選んだいちばん!売りたい本」です。
書店に行くと、多くの本が並んでいますが、どれを買ったらよいか迷いますよね。書店員さんは毎日書籍に触れていて、たくさん読まれる方が多いです。また、著者や売れ筋についての知識が豊富で、情報交換も盛んに行っています。

本屋大賞は過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」本を投票し決めるものです。ノミネートされた上位10作品の中から選ばれます。

全体を通して比較的読みやすく、多くの読書家の間でも人気の作品が多い傾向ですので、本選びに迷ったら、是非参考にしてください。

※読んだ本には感想なども付け加えています。

大賞発表は 2025年4月9日 予定です!

(以下五十音順)

アルプス席の母 早見 和真

story:まったく新しい高校野球小説が、開幕する。

秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!?
補欠球児の青春を描いたデビュー作『ひゃくはち』から15年。主人公は選手から母親に変わっても、描かれるのは生きることの屈託と大いなる人生賛歌! かつて誰も読んだことのない著者渾身の高校野球小説が開幕する。

【編集担当からのおすすめ情報】
「この物語に救われる球児の母親がどれだけいることか。全母親が落涙必至」
吉田伸子さん(書評家)
など、事前に読んでくださった全国の書店員さんからも熱いメッセージが寄せられています。(出版社より)

著者:早見和真(ハヤミカズマサ)
1977年神奈川県生まれ。2008年『ひゃくはち』で作家デビュー。2015年『イノセント・デイズ』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。2020年『店長がバカすぎて』で本屋大賞ノミネート、同年『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA賞馬事文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

カフネ 阿部 暁子 

TV番組「王様のブランチ」で取り上げられ、人気急上昇。阿部暁子の最新刊・心にそっと寄り添ってくれる物語。

story:一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添っている。法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。(「BOOK」データベースより)

日本人は耐え忍ぶことが美徳とされる風潮があります。周りへの配慮、社会性があってこそ大人とみなされる。また、思いやりから相手を優先させることも多々あるでしょう。和を重んじるお国柄ならではで、その謙虚さは海外からの印象もとても良いと聞きます。しかし、空気を読み、本音を隠すコミュニケーションスタイルにより、私たちは知らず知らずの内にストレスを抱えてしまっているのではないでしょうか。

物語は、ままならない現実とそれでも生きる術を探すハートフルストーリー。辛い出来事が重なり、喪失感を抱えながら毎日をやり過ごしている薫子。自身や相手を責めたり、脱力感に苛まれたりする薫子や彼女が出会う人々はの姿は、まさに今の生きづらい世のリアルを表しています。漏れ出す本音にじっと耳を傾けているとやがて見えてくるもの、それは…。

頑張り過ぎている人へ。
美味しいものに癒される。気持ちが温かくなる一冊です。

著者:阿部暁子(アベアキコ)
岩手県出身。2008年『屋上ボーイズ』(応募時タイトルは「いつまでも」)で第17回ロマン大賞を受賞しデビュー。著書に『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』『パラ・スター“Side百花”」「パラ・スター“Side宝良』“金環日蝕』『カラフル』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

禁忌の子 山口 未桜

story:救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とはーー。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。(出版社より)

デビュー作にして2025年本屋大賞ノミネート!
救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。「俺たち」は誰なんだ。現役医師が描く医療×本格ミステリ第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作

投稿作であることも忘れ手に汗握った。読者を没入させるストーリーテリングができる方だ
青崎有吾

とにかく書きっぷりが達者で、私は作品の半ばまで読んで「これが今年の鮎川賞だな」と確信した
東川篤哉

良質なサスペンスドラマのように、主人公が歩みを進めるたびに真相に近づいていく展開は見事のひと言
麻耶雄嵩

著者:山口 未桜(ヤマグチミオ)
21987年兵庫県生まれ。神戸大学卒業。現在は医師として働く傍ら、小説を執筆している。2024年『禁忌の子』で第三十四回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(出版社より)

恋とか愛とかやさしさなら 一穂 ミチ

story:カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が”出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。

プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。
信じるとは、許すとは、愛するとは。男と女の欲望のブラックボックスに迫る、著者新境地となる恋愛小説。

わたしの心と体を通ってきた、無数の、犯罪の名前が付かないたくさんの傷のことを考えた。苦しかった。読めてよかった。
ーー高瀬隼子(作家)

僕はこの物語を、生涯忘れることはありません。
ーーけんご(小説紹介クリエイター)

女性が置かれている地獄のある側面が突きつけられる。
ーースケザネ(書評家)

【編集担当からのおすすめ情報】
第171回直木賞受賞(『ツミデミック』光文社刊)後、第一作。
全国の書店から過去最大級の反響が殺到し、発売即大重版!

自分だったらどうするだろう?答えの出ない問いかけを、何度も何度も繰り返して書きました。ーー一穂ミチ(「BOOK」データベースより)

著者:一穂ミチ(イチホミチ)
2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。『イエスかノーか半分か』などの人気シリーズを手がける。21年刊行の『スモールワールズ』が本屋大賞第3位。同作で吉川英治文学新人賞を受賞し、直木賞候補になる。22年刊行の『光のとこにいてね』は本屋大賞第3位、キノベス第2位。同作で直木賞候補になり、島清恋愛文学賞を受賞。24年『ツミデミック』で第171回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

小説 野崎 まど

story:五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。一二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。しかし、その屋敷にはある秘密があった。

読むだけじゃ駄目なのか。
それでも小説を読む。
小説を読む。
読む。
宇宙のすべてが小説に集まる。
「物語に救われ、読書に呪われた」君はなぜ、小説を読むのか?

読者を唖然とさせる飛躍とどんでん返しが待っていて、「小説」の意味を痛切に問い直す。–小川哲
何もかも投げ出して小説に没頭するうしろめたさを知るすべての人に捧げたい傑作。–大森望
小説を愛するすべての人に届くべき作品。–けんご(「BOOK」データベースより)

著者:野崎まど(ノザキマド)
2009年『“映”アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。2013年に刊行された『know』(早川書房)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

死んだ山田と教室 金子 玲介

2024年度、講談社の公募文学新人賞である「メフィスト賞」受賞作品。

story:夏休みが終わる直前、人気者の山田が死んだ。悲しみに沈むクラスに担任の花浦が席替えを提案すると教室のスピーカーから死んだ山田の声が聞こえた。山田はスピーカーに憑依してしまったらしい。“俺、二年E組が大好きなんで”。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまる。第65回メフィスト賞受賞!!(「BOOK」データベースより)

憧れの人、お世話になった人など自身にとって大切な人物を喪えば、誰もが喪失感に襲われます。一瞬でもいいから生き返って欲しいと思うこともあるでしょう。
死んだはずのクラスのムードメーカー・山田の声を聞いて、二年E組の生徒たちは喪失感から解放され、また、山田の存在の大きさに気付きました。山田の復活を心から喜ぶと共に、このクラスだけの秘密とします。より仲間意識を深めた彼らは、山田と共にこれまでと変わりなく楽しい学生生活を送るはずでしたが…

とにかく学生ノリの会話が面白く、思わず吹き出してしまう。久しぶりに小説を読みながら声を出して笑いました。キレのあるボケツッコミからこのクラスの和気藹々とした雰囲気と、山田の人柄が窺えます。また、二年のE組の個性的なキャラクターたちがリアルで、読者もこのクラスの一員になったつもりで楽しめる。

山田がスピーカーに憑依した謎や、山田の秘密が徐々に明らかになる意外な展開はミステリとしても面白く、繊細で残酷な思春期のノスタルジーと鈍い痛みを感じました。
学生から大人まで幅広い世代にお勧めの小説です。

著者:金子玲介(カネコレイスケ)
1993年神奈川県生まれ。慶應義塾大学卒業。「死んだ山田と教室」で第65回メフィスト賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

spring 恩田 陸

story:自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者ーーそれぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。一人の天才をめぐる傑作長編小説。

構想・執筆10年ーー稀代のストーリーテラーが辿り着いた最高到達点=長編バレエ小説「俺は世界を戦慄せしめているか?」・読書メーター「読みたい本ランキング」月間1位 (2024年2月2日~3月3日/単行本部門)
・今月の絶対はずさない! プラチナ本 選出 (「ダ・ヴィンチ」2024年5月号)
・キノベス!2025 第10位
・第1回 「あの本、読みました?」大賞 第5位

史上初の直木賞&本屋大賞をW受賞した『蜜蜂と遠雷』や演劇主題の『チョコレートコスモス』など、表現者を描いた作品で多くの読者の心を掴みつづける恩田陸の新たな代表作、誕生!ページをめくるとダンサーが踊りだす「パラパラ漫画」付き(電子版には収録なし)

構成の工夫、際だった輝きをもつ、いずれ劣らぬ魅力的な登場人物たち、そして作者のバレエに対する深い愛と尊敬から生み出された、傑作バレエ小説。–池澤春菜 (声優 作家・書評家)/2024年4月14日付読売新聞書評

この自然体を見よ! 誰からも愛される無邪気さと、空恐ろしいほどの天才性を両立させるのは普通に考えてきわめて困難だが、恩田陸はそのハードルをらくらくと越える。–大森望 (翻訳家・書評家)/2024年4月6日付東京新聞書評

多視点によって、主人公・春という天才を多角的かつ立体的に描き出すことに成功している。ドイツの名門バレエ学校で切磋琢磨する、個性的で魅力的な仲間たちや指導者に囲まれて成長していく春の魅力に押されて、436ページを一気読み必至です。–豊崎由美 (書評家)/2024年3月31日付北海道新聞書評

本作は、バレエの魅力についてはもちろん、舞台芸術全般が放つ魔力についての物語だ。小説は、小説では表現し得ないと思われることを表現することで、進化してきた歴史を持つ。その最先端の営みが、ここにある。–吉田大助 (書評家)/「小説 野性時代」2024年5月号(出版社より)

著者:恩田陸(オンダリク)
1964年生まれ。92年『六番目の小夜子』でデビュー。『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、『ユージニア』で日本推理作家協会賞、『中庭の出来事』で山本周五郎賞、『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞(「BOOK」データベースより)

生殖記 朝井 リョウ

story:とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。体組成計を買うためーーではなく、寿命を効率よく消費するために。この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。(出版社より)

◆「2025年本屋大賞」ノミネート・「キノベス!2025」第1位◆『正欲』から3年半。本年度最大の衝撃作、大反響10万部突破。

著者:朝井リョウ(アサイリョウ)
1989年、岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。『何者』で直木賞、『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞、『正欲』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

成瀬は信じた道をいく 宮島 未奈

story:成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応え、ますますパワーアップの全5篇!(出版社より)

著者:宮島未奈(ミヤジマミナ)
1983年静岡県富士市生まれ。京都大学文学部卒。2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR-18文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞。2023年同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』でデビュー、10万部を突破し話題になる。本書はその続編にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

人魚が逃げた 青山 美智子

story:小説を愛するすべての人に、この嘘を捧ぐー。あの三月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって…逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始めー。そしてその「人魚騒動」の裏では、五人の男女が「人生の節目」を迎えていた。銀座を訪れた五人を待ち受ける意外な運命とは。「王子」は人魚と再会できるのか。そもそも人魚はいるのか、いないのか…。(「BOOK」データベースより)

著者:青山美智子(アオヤマミチコ)
1970年生まれ。愛知県出身。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。『猫のお告げは樹の下で』が第13回天竜文学賞を受賞。『お探し物は図書室まで』(2位)、『赤と青とエスキース』(2位)、『月の立つ林で』(5位)、『リカバリー・カバヒコ』(7位)と2021年から4年連続で本屋大賞にノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)
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