名作ミステリー小説10選・国内篇

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ミステリーを堪能する!

『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』。今や、ミステリーは世代を問わず人気のあるジャンルですね。

ミステリーの始まりはエドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』と言われています。その後、日本でも泉鏡花、尾崎紅葉、芥川龍之介、谷崎潤一郎をはじめとした文豪たちがミステリー風の作品を発表しました。
ポーやコナン・ドイルなどの作品を原書で読み、文豪たちの作品に刺激を受けた江戸川乱歩は『二銭銅貨』を発表。この乱歩のデビュー作は日本最初の本格探偵小説とされています。

本格」とは、謎解きを主眼にし、トリックがきちんと読者に開示され、名探偵が活躍するものを指すのが一般的です。

その後、乱歩の親友であり、ライバルの横溝正史が本格推理に欠かせない、「密室」殺人の作品を多く世に生み出し「横溝ブーム」を巻き起こしました。作品に登場する名探偵、金田一耕助はその名を知らない者はいないくらい有名ですね。

やがて、松本清張などに代表される社会派小説がミステリー小説の主流になり、本格推理小説は一旦下火になりますが、綾辻行人の「十角館の殺人」の登場を機に第3次ミステリーブーム、新本格ムーブメント起こります。

新本格小説は、科学が発展していくに伴い、科学捜査の及ばない現場での殺人がテーマであり、人間性や社会的背景よりも謎をパズルのように解く楽しさや、発想の妙ロジカルな解決方法を重点に置いています。

なお、本格ミステリーという概念・名称は日本独自のものだそうです。
海外作品ではこの「密室」や「クローズドサークル」のような不可能犯罪を取り扱った作品はあまりなく、エンタメ性が強い日本の本格、新本格推理小説は「Honkaku小説」として昨年くらいからイギリスや、アメリカで静かなブームが起きているのだとか。

以降、日本のミステリーは様々な要素を取り入れ、次から次へと新しいものを生み出して多くのファンを獲得してきました。

今回は(新)本格ミステリーを中心に、オカルトミステリー理系ミステリーの各ジャンルでの名作。また、読者の予想を大きく裏切る「どんでん返し」や「叙述トリック」など、ミステリー小説の醍醐味を味わえる10作品を紹介いたします。
あなたを非日常へと誘うミステリーの世界を思う存分堪能してください。

十角館の殺人(館シリーズ) 綾辻 行人

~「犯人ーと呼んでもいいね?そいつが僕らの中にいることに間違いはない。」多くの読者に衝撃を与え続けた名作~

story:十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!(「BOOK」データベースより)

名作ミステリー小説と言えば必ず挙がる小説。
「新本格派ミステリー」とも呼ばれ、第3次ミステリーブームが起きるきっかけを作った作品です。
複雑な人間関係や、社会的背景などを抜きにして、純粋に謎解きを楽しめる。人気の「館シリーズ」1作目。

この作品では名探偵ではなく、ミステリ研の学生が、島で次々に起こる殺人の犯人を推理します。彼らが事件を体験し、考察をし、そして次は自分が殺されるのではないかと恐怖に怯える。どこにでもいる普通の学生に自己を投影し、あたかも読者自身がこの孤島ミステリの登場人物になった気持ちで、このスリリングな世界の住人になれます。

たった1行で物語の世界がひっくり返る衝撃と快感を味える。
ミステリー初心者から愛好家まで、誰が読んでも楽しめるおすすめの一冊です。

新本格ミステリー【クローズドサークル・孤島・館・連続殺人・探偵】

綾辻行人(アヤツジユキト)
1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院修了。’87年に『十角館の殺人』で作家デビュー、“新本格ムーヴメント”の嚆矢となる。’92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。『水車館の殺人』『びっくり館の殺人』など、“館シリーズ”と呼ばれる一連の長編は現代本格ミステリを牽引する人気シリーズとなった。(「BOOK」データベースより)

46番目の密室 有栖川 有栖

~「人を殺したい。と私自身が思ったことがあるからです」火村&有栖川のコンビがはじめて世に出た、話題の傑作シリーズ第1作!~
story:日本のディクスン・カーと称され、45に及ぶ密室トリックを発表してきた推理小説の大家、真壁聖一。クリスマス、北軽井沢にある彼の別荘に招待された客たちは、作家の無残な姿を目の当たりにする。彼は自らの46番目のトリックで殺されたのかー。(「BOOK」データベースより)
多数のミステリーの賞を受賞した有栖川有栖の探偵小説。犯罪学者・火村英生と、推理作家・有栖川有栖(アリス)の2人が数々の難事件を解決する、作家アリスシリーズの第1作目。
2016年、2019年にTVドラマ化されています。
探偵役・火村と助手役・有栖の2人の友達のような、それ以上?のようなバディ関係が面白い。
設定がシャーロック・ホームズと似通っている部分も多く、ホームズの現代日本版のような世界観
雪山山荘の密室殺人ですが、犯人が潜んでいる怖さというよりも、密室のトリックを暴こうとする2人のコミカルなやり取りにほっこりします。
テンポが良く、読みやすい文章ながら本格推理小説ならではの密室のトリックで唸らせる
バディものの本格推理小説を読みたい方に。
本格ミステリー【密室・館・連続殺人・探偵・バディ】
有栖川有栖(アリスガワアリス)
1959年大阪市生まれ。同志社大学在学中より推理小説研究会に所属して創作等で活躍。処女作は『月光ゲーム』(東京創元社)。『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、『女王国の城』で第8回ミステリ大賞受賞。著書多数(「BOOK」データベースより)
TVドラマが見れる動画サイト
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「臨床犯罪学者 火村英生の推理」「臨床犯罪学者 火村英生の推理2019」

仮面山荘殺人事件 東野 圭吾

~「そんな台詞を信じられると思うのかい。それに金なんて欲しくない。俺たちがやらなきゃならないのは、この別荘に居続けるってことなんだ。」あっと驚く予想外の展開~

story:八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。外部との連絡を断たれた八人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が殺される。だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていった…。(「BOOK」データベースより)

「実に面白い」一般にも広く定着した福山雅治扮する天才物理学者、湯川学が活躍する『ガリレオシリーズ』を始め、阿部寛が扮する刑事の『加賀恭一郎シリーズ』、木村拓哉扮する 刑事がホテルで起こる事件を捜査する『マスカレードシリーズ』など、数多くの作品が映画化、ドラマ化されてる東野圭吾。書けば売れると言われ、読みやすさ、展開の面白さで名実ともにNo1の作家です。

近年は、現実社会を題材にした重厚な社会派ミステリー中心のイメージですが、初期の作品ではトリックや密室など本格ミステリーのものも多くありました。
そんな初期の頃のこのベストセラー小説は本格ミステリ王道に加え、東野作品に欠かせない人間ドラマもあり、気軽に読めることから今もなお人気です。

多作で、現在100くらいある東野作品。その中でもトップクラスの人気を誇る『容疑者Xの献身』『白夜行』『秘密』『手紙』などもおすすめです。

本格ミステリー【クローズドサークル・山荘・強盗

東野圭吾(ヒガシノケイゴ)
1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら、85年、「放課後」で江戸川乱歩賞受賞。99年、「秘密」で日本推理作家協会賞受賞。2006年、「容疑者Xの献身」で直木三十五賞受賞。同書は本格ミステリ大賞、2005年度の「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」各第1位にも輝き、12年にはエドガー賞(MWA主催)候補作となった。同年、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で中央公論文芸賞、13年に「夢幻花」で柴田錬三郎賞、14年に「祈りの幕が下りる時」で吉川英治文学賞、19年に野間出版文化賞を受賞。著書多数。幅広い作風で活躍し、圧倒的な人気を得ている(「BOOK」データベースより)

星降り山荘の殺人 倉知 淳

~「まず本編の主人公が登場する・主人公は語り手でありいわばワトソン役・事件の犯人では有り得ない」新しいスタイルの本格ミステリー~

story:雪に閉ざされた山荘に、UFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女性作家、癖の強い面々が集められた。交通が遮断され電気も電話も通じなくなった隔絶したで突如発生する連続密室殺人事件!華麗な推理が繰り出され解決かと思った矢先に大どんでん返しが!?見事に騙される快感に身悶えする名作ミステリー。(「BOOK」データベースより)

雪山の山荘を舞台とした本格推理小説。「本格ミステリ・ベスト10」や「週刊文春ミステリーベスト10」などのミステリーの賞にランクインしている。

この小説の一番の特徴は、各章や節のような話の区切り事に「まず本編の主人公が登場する」という風な要約が提示されているところ。読者が推理しやすいような工夫がなされている。
登場人物が少なく複雑ではない人間関係、その上「この推理は正解である」などヒントも与えてくれ、どこまでも読者に優しい。
また、ーモラスな表現と若者らしい等身大の主人公が笑いを誘い、楽しく推理できる。

本格推理小説ながら読みやすい文章で多くの人に読み継がれてる名作。
本格ミステリー初心者にもおすすめの一冊です

本格ミステリー【クローズドサークル・雪山・山荘・コテージ・ワトソン役・探偵】

倉知淳(クラチジュン)
1962年静岡県生まれ。日本大学藝術学部演劇学科卒業。1994年、『日曜の夜は出たくない』で倉知淳として小説家デビュー。1997年、『星降り山荘の殺人』で第50回日本推理作家協会賞(長編部門)候補。2001年、『壺中の天国』で第1回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞(「BOOK」データベースより)

ジェリーフィッシュは凍らない 市川 憂人

~「決まってるでしょ、そんなの。殺し合いよ」21世紀の『そして誰もいなくなった』への挑戦~

story:特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。21世紀の『そして誰もいなくなった』登場! 精緻に描かれた本格ミステリ(出版社より)

出版社が主催する公募の新人文学賞「鮎川哲也賞」2016年の受賞作品。市川憂人のデビュー作。

物語は1983年のアメリカを連想させますが、厳密には特殊技術で開発された小型飛行船=「ジェリーフィッシュ」で、民間人が日常的に空の旅を楽しめるSF要素のある世界、パラレルワールドになっています。
このミステリーは空の密室「ジェリーフィッシュ」内で起こった生存者0の連続殺人事件。その上、搭乗していた6人全員が他殺であった。外部からの侵入も、内部の人間でも犯行は不可能である状況証拠。この6人に何があったのか?犯人は誰なのか?

アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』や綾辻行人の『十角館の殺人』への挑戦だと言われている本格ミステリー。驚きのトリックと結末に思わずうなる傑作です。

本格ミステリー【クローズドサークル・小型飛行船・雪山・連続殺人

市川憂人(イチカワユウト)
1976年神奈川県生まれ。東京大学卒。在学時は文芸サークル・東京大学新月お茶の会に所属。2016年、『ジェリーフィッシュは凍らない』で第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は各種年末ミステリベストにランクインし、話題を呼んだ

すべてがFになる 森 博嗣

~「何かをしなくちゃいけないなんて、それこそ幻想だ」驚愕の理系本格ミステリィ~

story:孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。(「BOOK」データベースより)

国立大学の助教授という経歴をもつ森博嗣のデビュー作で、第1回メフィスト賞受賞作品。
著者の経歴を生かした理系ミステリーですが、刊行当時はまだパソコンも普及し始めた頃。そんな時代に、パソコンを使って一人でこなす仕事風景や、バーチャルな会議など、今読んでも全く違和感のない風景が描かれている。

孤島や密室、癖のある探偵役、本格ミステリーならではのワクワクする展開と共に、何重にも張り巡らされた論理的なトリックが見どころ。
一方で、学問や価値観、人間の本質についてロジカルな思考の主人公の名言も数多く飛び出します。
また、手役の女学生とのやり取りも理系の人間らしい面白さがあったり、論理的思考と感情的思考の人の科学に対する認識の違いが描かれていたり、まさに理系尽くしの一冊
新しい形の本格ミステリーを読みたい方に。

本格ミステリー【理系・密室・孤島・天才

森博嗣(モリヒロシ)
工学博士。1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー(「BOOK」データベースより)

占星術殺人事件 島田 荘司

~「ホームズ?」「ああ!あのホラ吹きで、無教養で、コカイン中毒の妄想で、現実と幻想の区別がつかなくなってる愛嬌のかたまりみたいなイギリス人か」名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作

story:密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本部門第三位選出。(出版社より)

本格推理小説の旗手と言われる島田荘司のデビュー作。度胆を抜く壮大なトリックは多くのミステリーマニアを喜ばせました。
この作品内で著者は、今では推理小説の定番にもなった「読者への挑戦」を行っています。これは種明かしの前に読者に対して謎が解けたかと問うもので、ミステリーの頭脳戦文化を根付かせるきっかけにもなりました。

時は戦後。どこかで聞いたことがあるような、その時代を象徴する事件や事柄。その時代の空気を感じられます。
豪邸で起きる不可能犯罪奇怪な殺人超人的頭脳を持つが性格に難ありな名探偵とその助手など本格推理小説、探偵小説の王道ともいえる世界観はミステリーファンでなくとも好きな人は多いはず。

この舞台に、多くのミステリーマニアが難事件に挑み、敗北しました。
今ではとても有名なトリックなので、読む前にネタバレしないように気をつけて
社会派小説の要素も兼ね備えているこの本格推理小説。あなたも挑戦してみてはいかがでしょうか。

本格ミステリー【社会派ミステリー・連続殺人・密室・探偵・戦後】

島田荘司(シマダソウジ)
1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、探偵・御手洗潔シリーズや、刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格的ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる(「BOOK」データベースより)

魍魎の匣(百鬼夜行シリーズ) 京極 夏彦 

~「幸せになることは簡単なことなんだ。人を辞めてしまえばいいのさ」日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾

story:匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物ー箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?(「BOOK」データベースより)

その本の分厚さによってレンガ本と呼ばれている京極夏彦の百鬼夜行シリーズは累計1,000万部を超える超ベストセラー小説。その中でも最高傑作の呼び声が高い日本推理作家協会賞受賞作品。映画化、アニメ化もされています。

戦後復興期、新しい物がどんどん作られていく一方で、取り残される昔の風景。そんな混沌とした昭和初期の街並みの暗い一角から少し薄気味悪いものを感じる…。これはそんな時代の人間ならざる者、妖怪の存在を感じさせる民俗的な要素を取り入れたオカルトミステリー
このシリーズの人気の理由は、とにかく登場人物が魅力的なこと。文士で気弱な関口、博識で安楽椅子探偵役の京極堂彼、天真爛漫で眉目秀麗の探偵の榎木津、一見強面の警察官木場、彼らはとても個性的。また、やり取りも面白く、彼らのファンになってしまうくらいです。
また、文体からもこの時代の雰囲気が感じ取られ、おどろおどろしい世界観をより一層盛り上げます。

後半、一気に謎が紐解かれていく展開は鳥肌もので、しばらく余韻が冷めません。
この作品から読んでも面白いが、一作目『姑獲鳥(うぶめ)の夏』を読んでからだとより、この世界観にハマることで間違いナシ。1000ページ以上ありますが、読みやすいので、ボリュームはあまり気にならないでしょう。

オカルトミステリー【ホラー・妖怪・陰陽師・探偵・戦後】

京極夏彦(キョウゴクナツヒコ)
1963年北海道生まれ。’94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。’96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞受賞。’97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、’04年『後巷説百物語』で直木賞、’11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。’16年遠野文化賞受賞(「BOOK」データベースより)
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江戸川乱歩傑作選 江戸川 乱歩

~「読者諸君、これが日本で一番美しい犯罪小説だ」耽美的トリック×倒錯的フェティシズムが交錯する、本格探偵小説を確立した初期傑作9編~
story:日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作「二銭銅貨」、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する「芋虫」、他に「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」。(出版社より)
日本の本格推理小説の生みの親、江戸川乱歩の短編小説の中から有名な作品を集めた傑作選。この8作品は初期の頃の大正13年~15年にかけて発表されたもの。(『芋虫』は昭和4年)
ミステリーを語るなら江戸川乱歩は外せないでしょう。
本格推理小説で有名な乱歩ですが、本格以外にオカルトホラー純文学など様々な要素を組み合わせたミステリー作品が数多くあります。いずれも、人間の深層心理が生々しく描かれていて、何度でも読み返したくなります。また、それが伏線となっている場合も多い。
文豪の中でも読みやすい江戸川乱歩の作品は今でも人気があります。実は、長編よりも短編を得意としていた乱歩。これだけは読んでおきたい一冊です。
本格ミステリー【ホラー・グロテスク・密室・探偵・戦後】
江戸川乱歩(エドガワランポ)
(1894-1965)本名平井太郎。三重県名張市生れ。早稲田大学政経学部卒。日本における本格推理、ホラー小説の草分け。貿易会社勤務を始め、古本商、新聞記者など様々な職業をへた後、1923(大正12)年雑誌「新青年」に「二銭銅貨」を発表して作家に。主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。1947(昭和22)年探偵作家クラブ(後の日本推理作家協会)の初代会長となり、1954年江戸川乱歩賞を設け、1957年からは雑誌「宝石」の編集にたずさわるなど、新人作家の育成に力をつくした。

ハサミ男 殊能 将之

~「自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。」古典にして大傑作ミステリー~

story:美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。(「BOOK」データベースより)

メフィスト賞受賞作品。「このミステリーがすごい」にも選ばれ、2005年映画も公開された異色の長編サスペンスミステリーです。

犯人側と警察側の2つの視点で展開するミステリー。核心に迫り、犯人を追い詰めていく警察小説の要素もありつつ、犯人側の視点「犯人はわかっっているはずなのに、実は真相はわからない」の倒叙ミステリーの両方が楽しめる。
また、殺人の方法や、犯人側の人格に異常性があるため、サイコミステリーまたは、ラーミステリーとも言われている。

巧みなミスディレクションであっと驚かされる古典の傑作ミステリーとして有名な作品です。
ネタバレ厳禁なので、読み終えるまでは絶対ネットなどで検索しないこと。

サスペンス・ミステリー【サイコキラー・ホラー・警察・マスコミ・】

殊能将之(シュノウマサユキ)
1999年『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。以降、ミステリーにSFの手法を合わせた名探偵・石動戯作シリーズとして『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『樒/榁』『キマイラの新しい城』を上梓。2013年2月、他界(「BOOK」データベースより)

その他

春に読みたい小説10選で紹介したミステリー小説。こちらも名作なのでご紹介いたします。

葉桜の季節に君を想うということ 歌野 晶午

~あらゆるミステリーの賞を総なめ。必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本~

story:「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たしてー。 (「BOOK」データベースより)

あらゆるミステリーの賞を受賞し、高い評価を得た長編推理恋愛小説。

推理小説にはいろいろありますが、この小説は、ひらめきあり、ピンチあり、友情あり、恋あり、つまりエンターテイメント溢れる探偵小説です。ページをめくるごとに事件の核心に迫っていく感覚はドキドキ、ハラハラ感を味わえて楽しい。また、恋人とのすれ違いももどかしく、スリルある展開に良いスパイスをきかせている。
しかし、それだけだと普通のミステリー小説ですね。この小説が高い評価を得て、多くの読者を夢中にさせた理由がこの物語の裏に隠されています。

予測不可能な「どんでん返し」に気持ちいいくらい騙される。結末を知れば、もう一度読み返したくなるミステリーです。

恋愛ミステリー【探偵・詐欺集団・純愛

歌野晶午(ウタノショウゴ)
1961年千葉県生まれ。東京農工大学卒。88年『長い家の殺人』でデビュー。2003年に刊行された『葉桜の季節に君を想うということ』が「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」の第1位に選ばれ、第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞を受賞、ベストセラーになる。10年には『密室殺人ゲーム2.0』で史上初、2度目となる第10回本格ミステリ大賞を受賞(「BOOK」データベースより)
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