読書ブログ2022年2月・3月に読んだ本

読書日記月別
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2022年2月・3月に読んだ本をまとめました。
基本、人気作家さん、話題の本を中心に読んでいます。

今回から私の満足度、おススメ度でをつけています。

★★★★★ とても良かった!!人に薦めたい!これを読まないなんて、人生損している!

★★★★  とても良かった!充実した時間をありがとう。是非、読んでみてください!!

★★★   読んで良かった。面白かったです。読んで損はない!

★★    少し難しかったかな?あなたの意見を聞かせてください。

     う~ん、今の私には難解だった。また、再挑戦します。

あくまで私の基準です。本選びの参考になればうれしいです。

いのちの車窓から 星野 源

★★★★★

歌手、俳優、作家などマルチに活躍する星野源さんのエッセイ集。文庫版では、10ページ(エッセイ約2本分半に相当)にわたる、長い「文庫版あとがき」が新たに収録されています。

星野さんの「好き」が溢れているエッセイ。作曲にかける想い、曲が出来た経緯、音楽に救われた青春時代の思い出など、音楽にまつわる話。そして一緒に仕事をする先輩や仲間の話、趣味のゲームの話、日常の話など盛りだくさん。
エンターティナーぶりを発揮する星野さんの素顔を知ることが出来ます。

また、人が大好きな星野源さんの交友関係にまつわる話からは、彼の人となりが分かるほっこりエピソードや内気を克服したことなど、人間関係を円滑にする秘訣も。

一話分が約2000文字と大体5分くらいで気軽に読めて癒される。
毎日をもっと楽しく過ごすヒントが満載のエッセイ集です。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「いのちの車窓から」星野源

ブラックボックス 砂川 文次

★★★★★

2021年芥川賞受賞作品。コロナ禍や宅配サービスなど現代社会が描かれている。

主人公のサクマは郵便物を自転車で届けるメッセジャーの仕事をして生活をしている。彼はその体力勝負の仕事に没頭しながらも、将来の不安から「ちゃんとしなきゃ」とSNSで転職先を検索する毎日を送っているが…

コロナ禍で新しい生活様式に変化していく世の中。そんな世の中に埋もれ、歯車の一部として搾取される若者の姿を描いている。ブラック企業の内情や、そこで働く若者の苦悩がリアルに伝わってくる。彼らの目を通して社会を見た時、この国はどういう風に映るのだろうか。

著者曰く「いい意味での怒りを感じながら書いていた」とのこと。
「労働者の怒りや叫び」や「劣悪な環境、貧困や格差社会」が描かれたこの小説は、現代のプロレタリア文学とも評されました。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「ブラックボックス」砂川文次

ムゲンのi 知念 実希人

★★★★

2020年本屋大賞ノミネート作品。小説家と医師の二足の草鞋を履く知念実希が描く医療×ファンタジー×ミステリーの新感覚小説。

ただひたすら眠り続ける奇病「レイス」を突然、同じ日に四人が発症した。彼らの内三人の治療を任された医師、識名愛衣は彼らを助けるべく治療法を模索する。そんな時、世間で頻繁に起きている通り魔殺人事件のニュースに過去のトラウマが呼び起こされ…

可愛い表紙そのままのファンタジーの要素もありつつ、しっかりとしたミステリー。連続殺人事件の謎、病院の謎、相棒ククルの正体と、沢山の謎が散りばめられ、それがどんどん繋がっていく展開に手に汗を握ります。医学の知識のある著者ならではの説得力がある医療の話と、真逆のファンタジーを見事に両立させていて、予想もつかない展開に。

上下巻の長編だが、読みやすく面白い。心温まるこの物語、多くの若者にこそ読んで欲しい。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「無限のi」知念実希人

芥川追想

★★★★★

芥川龍之介の死後、文豪を始め芥川と交流のあった人物によって書かれた随筆や談話の雑誌掲載記事などをもとに一冊の本にまとめたもの。天才・芥川龍之介の素顔を知ることが出来ます。

親友、菊池寛や久米正雄らが語る芥川の素顔や、彼の憧れの存在であった志賀直哉との交流、谷崎潤一郎から見た芥川評、生前芥川に対してコンプレックスを抱いていた萩原朔太郎の懺悔など。芥川の性格や頭の良さ、人付き合いの良さなどを文豪の筆力を持って赤裸々に告白している。

その他、高等学校の級友や雑誌の編集者、夏目門下生など。また、海軍機関学校の教官時代の同僚の話では、かなり反戦的な発言と、マニュアルを無視した教育方法で有名だったとか。天才芥川の先見の明に交流のあった元記者も感嘆の声をあげている。

芥川の家族や女中からは自殺前の様子や、彼の生前の言葉、亡くなった朝の様子、そして訃報を聞いて続々と訪れる文豪たちの様子など、衝撃的な事実が語られている。

小説の見方が変わる?芥川の全てを知る一冊。芥川が好きな人には、ぜひ読んで欲しい。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「芥川追想」

流浪の月 凪良 ゆう

★★★★★

BL小説家として10年以上の経歴を持つ凪良ゆうの2020年の本屋大賞受賞作。BL小説出身の作家が本屋大賞を受賞するのは史上初の快挙。映画も2022年5月に公開予定。

両親との別離によって孤独になった更紗はある日、文という青年と出会った。自分と同じような悩みを抱えていると感じた更紗は、彼と心を通わせていく。しかし、世間は小学生の更紗と大学生の文との心の交流を理解せず、二人を引き離します。時が過ぎ、世間の目から身をひそめるように生きてきた二人は再開するが…

ひとたび犯罪者や被害者のレッテルを貼られるとどうなるのか。罪を償った後の彼らの孤独や苦悩が描かれています。自分の気持ちがまるで通じない苛立ちや虚しさや、世間からはじき出される実感は鳥肌もの。同じ気持ちを抱えた二人の行方が気になり、幸せを願わずにはいられません。自分らしい生き方を考えさせられます。

心から安心できる居場所が欲しいと望んでいる人は意外と多いのではないでしょうか。ふとした時に孤独を感じる孤独。それを埋めてくれる存在って貴重ですよね。
読みやすい文章と、繊細な心の機微を描くことで人気の作家。今、一番話題の小説です。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「流浪の月」凪良ゆう

同志少女よ、敵を撃て 逢坂 冬馬

★★★★★

「凄い新人が現れた!」と話題になった逢坂冬馬のアガサ・クリスティー賞受賞、2022年本屋大賞ノミネート作品。

小さな村に住んでいた少女セラフィマは、突如現れたドイツ軍に殺されそうになったところを赤軍兵に助けられます。殺された家族や村人の敵を討つために、狙撃訓練学校で狙撃兵としての訓練を受けることになった彼女は、そこで同じような境遇の仲間と出会い、やがて戦地へ赴くことに…

第二次世界大戦中の独ソ戦において射撃手として戦った少女の物語。
権力者のエゴとプロパガンダによって、大切な家族と日常を奪われた少女セラフィマ。彼女の目に映る戦いの描写が生々しく、戦争の残酷さ、理不尽さ、そして人間の脆さが伝わってきます。その一方で、少女の成長や友情も描かれていて、テンポの良いストーリーは読みやすく面白い。

言葉や歴史も丁寧に説明されていて、戦史に苦手意識のある人でも手に取りやすいでしょう。
同じ過ちを繰り返して欲しくない。彼女たちの目から歴史を知ることで、より平和の尊さを実感できるでしょう。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「同志少女よ、敵を撃て」逢坂冬馬
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