いのちの車窓から 星野 源

星野源
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~自分の体を機関車に喩えるなら、この車窓は存外面白い~

こんにちは、くまりすです。今回は、歌手や俳優、エッセイストとしてマルチに活躍されている星野源さん。累計40万部突破のベストセラーエッセイ集いのちの車窓から」をご紹介いたします。

story:

ドラマ「逃げ恥」「真田丸」、大ヒット曲「恋」に「紅白」出場と、怒涛の日々を送った約2年間。大注目を浴びるなかで、紡いできたのはある日の風景、周囲の人々、心の機微ー。星野源が2017年まで雑誌で毎月執筆してきた大人気エッセイを収録。文庫版では10ページにわたる「文庫版あとがき」を書き下ろし。(「BOOK」データベースより)

目次:いのちの車窓から/多摩川サンセット/怒り/電波とクリスマス/友人/作曲をする日々/一期一会/人間/SUN/ある日/文章/HOTEL/ROOM/武道館とおじさん/人見知り/YELLOW DANCER/「おめでとうございます」/寺坂直毅/柴犬/メタルギアの夜/YELLOW VOYAGE/コサキンと深夜ラジオ/細野晴臣/ある夜の作曲/大泉 洋/ゲームで/恋/新垣結衣という人/夜明け/ひとりではないということ(「BOOK」データベースより)

音楽

エッセイ集とは書き手が思ったままの事を書き連ねるもの。だから日常や身近な人の話を書いたら、書き手の人となりがなんとなく伝わってきますね。

いつだって、世界を彩るのは、個人の趣味と、好きという気持ちだ。

運転手さんが言った言葉にタクシーを降りた今もずっと、うなずき続けている。
人間、好きなことをしてなきゃダメだよ兄ちゃん!

意図して「好き」なものを集めて書いたわけではないが、自然と「好き」なものが溢れていた
そんなメッセージが感じられるこのエッセイ集は、作曲にかける想い、曲が出来た経緯、音楽に救われた青春時代の思い出など、音楽にまつわる話。そして一緒に仕事をする先輩や仲間の話、趣味のゲームの話、日常の話など盛りだくさん。
一話分が約2000文字と大体5分くらいで気軽に読めるエッセイ集というのもなんだか星野源さんらしい。

今の星野源があるのは、努力した結果ということではなく、ただ「好き」な趣味を続けてきた結果だと語る。音楽への「好き」が溢れるエピソードには曲に込められた「届けたい」想いが書かれていて、今までよりももっと深く身近に感じられる。

仕事柄飲みに行ったり、人付き合いが多くなった結果、「内気でいられなくなり、冗談も下ネタも仕事の真面目な話も本音も垣根なく喋るようになった。

「人見知り」だった彼が、それを克服したきっかけは心を開いてくれている相手に対して申し訳ない気持ちからだと言う。

人間が好きな星野源さんから見た、大泉洋さんや、鶴瓶さん、新垣結衣さんなどの愛に溢れる話を読むと、読者も彼らのことが好きになる。親しみやすい文章ということもあるが、彼は人の良いところを見つけるのが上手な人である。

自然体な考え方はテレビで観る、どこかひょうひょうとしている彼のイメージそのものだった。沢山の仕事を抱えてても、無理に肩肘を張らず楽しむ気持ちでやる、でもやるべきことはきちんとやる芯のしっかりした人。そんな彼の姿に今の活躍もうなずけます。

感想

主演したドラマは高視聴率を記録し、エンディングの「恋ダンス」は社会現象にまでなりました。楽曲をリリースすればオリコンランキングで常に上位を占め、ゴールデンディスク大賞も取り、紅白にも出場。助演男優賞を受賞した映画「罪の声」は私も観に行きました。

今や、飛ぶ鳥を落とす勢いで様々な分野で活躍されている星野源さんについて私は、「この人は何者だ?」と前々からその存在を不思議に感じておりましたが、彼から放出される癒しのオーラのようなものは好ましく、演技でも歌でも星野源さんらしさがあって、なんだかほっこりします。

このエッセイを読み、その癒しのオーラを感じるのも納得。
創作は本当に大変なことで、私なんかはブログを書くだけでうんうんいってますが…歌にしても、文筆にしてもそういうモノ創りの仕事に精力的に取り組まれている姿は、根からのアーティストでありエンターティナーだなと感じました。

大病をされていたことは存じ上げませんでしたが、そんなことも含めて楽しい人生を送れているのだという彼の考えはとても素敵で見習いたい。
人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に喩えるなら、この車窓は存外面白い
私自身の車窓も楽しみたいと思います。

著者:星野源(ホシノゲン)
1981年、埼玉県生まれ。俳優・音楽家・文筆家。俳優として、映画『罪の声』で第44回日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞。音楽、エッセイ、演技のジャンルを横断した活動が評価され、2017年に第9回伊丹十三賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)
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