読書ブログ2021年9月に読んだ本

読書日記月別
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9月に読んだ本をまとめました。
基本、人気作家さん、話題の本を中心に読んでいます。

今回から私の満足度、おススメ度でをつけています。

★★★★★ とても良かった!!人に薦めたい!これを読まないなんて、人生損している!

★★★★  とても良かった!充実した時間をありがとう。是非、読んでみてください!!

★★★   読んで良かった。面白かったです。読んで損はない!

★★    少し難しかったかな?あなたの意見を聞かせてください。

     う~ん、今の私には難解だった。また、再挑戦します。

あくまで私の基準です。本選びの参考になればうれしいです。

未来 湊 かなえ

★★★★

ある日、未来の自分から手紙が届く。幸せな未来が待っている事を知った章子は、未来への自分に返信を出す。複雑な家庭環境の悩みや出来事を書くことによって、今の苦境を乗り切ろうとするが…

今の社会問題である貧困や虐待をテーマにしたミステリーで、イヤミスの女王湊かなえの新たなる代表作です。

悲惨なシーンも多く心が痛みますが、未来からの手紙の秘密などは、すっかり騙されてしまい、ミステリーの醍醐味を味わうことが出来ました。イヤミスというジャンルが苦手でなければ、おすすめです。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「未来」湊かなえ

姑獲鳥の夏 京極 夏彦

★★★★★

二十箇月もの間子供を身籠ったままの娘。密室から忽然と姿を消したその旦那。文士の関口はひょんなことから、それらの謎を解く羽目になり…

妖怪小説とも言われる、京極夏彦の推理小説「百鬼夜行シリーズ」1作目。

祈祷師や、探偵、ともに戦地で戦った刑事などキャラクターの強い個性や、やり取りが面白く、文体や話し言葉などからも、戦後復興期の雰囲気が感じられます。

どこからか妖怪の息遣いが聞こえてきそうな、おどろおどろしい作品の独特な世界観がしっかり作り上げられていて、シリーズのファンも多い作品です。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「姑獲鳥の夏」京極夏彦

熱帯 森見 登美彦

★★★★

著者森見登美彦の手記という形で始まる作中作。森見が偶然手に入れた「熱帯」という小説。しかし、この本を半ばまで読んだところで、失くしてしまう。どうしても続きが気になり、新しい本を購入しようとするが、まるで存在しないかのように手がかりがつかめない。諦めかけていたところに「熱帯」を手にしている女性と出会って…

主人公は「熱帯」の物語の中に入ってしまうのですが、「熱帯」の中は美しい南国の景色と雰囲気に現実から解き放たれた解放感があり、ちょっとした冒険小説の主人公のような気分を味わえます。人生を楽しめというメッセージが込められている気もしました。

「千一夜物語」になぞらえた入れ子構造の物語形式で、読んでいくうちに、作品の中の現実と「熱帯」の物語の世界がだんだん区別がつかなくなって、今どこにいるのか分からない感覚に陥ってしまう。ウィットに富んだモリミワールドを体験できるでしょう。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「熱帯」森見登美彦

日の名残り カズオ イシグロ

★★★★★

ノーベル文学賞作家、カズオ イシグロの代表作。当書はイギリスの文学賞ブッカー賞を受賞している。

この物語は、執事スティーブンスが車で旅をしながら、今までの人生を振り返りつつ、彼の持論が語られます。イギリスの良き時代に思いを馳せながら語るのですが、滑らかな口調からどんどん歯切れが悪くなっていきます。彼の心境が変化したのか?それとも何か隠しているのか?

スティーブンスの旅が終わる時、彼の人生の答えに涙しました。

多くの人に読んで欲しい作品。人生観が変わるかもしれません。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「日の名残り」カズオ・イシグロ

ある男 平野 啓一郎

★★★★★

芥川賞作家平野啓一郎の読売文学賞受賞作品。

弁護士の城戸はかつての依頼者、里枝から彼女の夫「大祐」の死後、彼が全くの別人だったということが判明したという話を聞き、他人の人生を生きた男「大祐」の正体を突き止めるため調べ始めるが…

「大祐」の正体が明るみに出るにしたがって、彼の呪われた人生と社会の闇が浮かび上がってくる。一旦人生の歯車が狂うと、どんどん落ちて行ってしまう怖さと、それは決して他人事ではなく身近に潜んでいる闇なのだと実感させられる。

また、家族愛もこの物語のテーマの一つ。人を愛する、思いやることで、どんな苦難も乗り越えられるのだろうか?また、苦難はどうやったら乗り越えられるのだろうか?「大祐」の家族の葛藤や優しさにも心が動かされました。

現代の闇と愛を描いたおすすめの作品です。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「ある男」平野啓一郎

神様の罠 辻村 深月 乾 くるみ 米澤 穂信 芦沢 央 大山 誠一郎 有栖川 有栖

★★★★

何と、いきなり文庫化された作品ばかりを集めたアンソロジー。

今を代表する豪華6名の作家によるミステリーアンソロジー。テーマは「罠」。日常に潜む「罠」から殺人事件に発展してしまう大きな「罠」まで、作家それぞれ個性があり、楽しめます。

また、既存の作品の短編もあり、その作者、作品が好きな人、色々な作家の作品を楽しみたい人など、様々なニーズに応えられる一冊です。短編集なので、隙間時間などに読めるのもいいですね。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「神様の罠」アンソロジー

久米正雄作品集

★★★★

芥川龍之介のライバルであり、友人。新思潮を代表する作家の一人、久米正雄の作品集。

小説、随筆、俳句があり、小説の半分は「新思潮」掲載のもの。他、小説と随筆のほとんどが芥川龍之介自殺以前のものです。

巻末の解説は久米正雄の生い立ちや、その作品の背景や、文豪同士の関係などが書かれているので、わかりやすく、面白い。ぜひ、読んでみてください。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「久米正雄作品集」
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