神様の罠 辻村 深月 乾 くるみ 米澤 穂信 芦沢 央 大山 誠一郎 有栖川 有栖

乾くるみ
記事内に広告が含まれています。

二度読み必死の謎と仕掛け

こんにちは。くまりすです。今回は、人気作家6人、辻村深月乾くるみ米澤穂信芦沢央大山誠一郎有栖川有栖ミステリーアンソロジーをご紹介いたします。

story

現在のミステリー界をリードする六人の作家による豪華すぎる一冊。最愛のひととの別れ、過去がふいに招く破綻、思いがけず露呈するほころび、知的遊戯の結実、コロナ禍でくるった当たり前の日常…。辿り着く先は、人間の行いによる帰結なのか、神様の差配によるものか。読み解き方も楽しみ方も六人六様の、珠玉のアンソロジー。(「BOOK」データベースより)

目次:
夫の余命(乾くるみ)/崖の下(米澤穂信)/投了図(芦沢央)/孤独な容疑者(大山誠一郎)/推理研VSパズル研(有栖川有栖)/2020年のロマンス詐欺(辻村深月)(「BOOK」データベースより)

いきなり文庫化

アンソロジーとは、複数の作家が同じテーマで物語を書いている短編集である。このアンソロジーのテーマは「」であり、様々な日常に潜む「」を書いたミステリーだ。

同書の特徴は、なんといっても、いきなり文庫化された物語ということ。多くの文庫のアンソロジーは文芸書からピックアップしたり、既存の短編を集めたものだったりするのだが、そうではなく、書きたてほやほやの新しい物語を文庫で楽しめるのである。

また、6名の作家も皆様々な賞を受賞されている第一線で活躍している豪華な顔ぶれだ。
同じテーマでも本格ミステリーから日常の些細なミステリーまで様々で、楽しめる。

まさしく今の「罠」

本書は、2020年コロナ禍で書かれた物語も含まれている。
というのも、マスク、緊急事態宣言、という今では聞きなれた言葉が出てくるからである。

新しい生活様式、ステイホーム、ソーシャルディスタンス。この年、新しく生まれた言葉はどれも私たちの生活を一変させるものであった。

行動はこの新しい生活様式に少しずつ順応できるかもしれないが、人の気持ちはそうはいかない。

コロナ禍でなければ生まれなかった「」は共感できる人も多いのではないだろうか。

感想

アンソロジーの良いところは、皆同じテーマのため、各作家の個性が出ていて面白いところ。色々な作風が楽しめます。私は、気に入った物語があれば、その作家の他の小説を買います。

主に、読んだことのない作家の試し読みのようなところがあるのかも知れません。

また、お気に入りの作家さんがいるという理由で、アンソロジーを手に取る人も多いのではないでしょうか?

有栖川有栖「推理研vsパズル研」は「江神二郎シリーズ」の短編、大山誠一郎「孤独な容疑者」は「赤い博物館シリーズ」の短編です。

この短編で、登場人物の魅力を知ってから本シリーズを手に取るのもいいですね。

凝縮されたミステリーの数々。各作家の手腕をご覧あれ。

著者:辻村深月(ツジムラミズキ)
1980年生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞してデビュー。『ツナグ』で吉川英治文学新人賞を、『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。『かがみの孤城』が2018年本屋大賞第1位に。著書多数(「BOOK」データベースより)
著者:乾くるみ(イヌイクルミ)
1963(昭和38)年静岡県生まれ。静岡大学理学部数学科卒業。’98(平成10)年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞しデビュー(「BOOK」データベースより)
著者:米澤穂信(ヨネザワホノブ)
1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を、14年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞(「BOOK」データベースより)
著者:芦沢央(アシザワヨウ)
1984(昭和59)年、東京生れ。千葉大学文学部卒業。2012(平成24)年、『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。’18年、『火のないところに煙は』で静岡書店大賞受賞(「BOOK」データベースより)
著者:大山誠一郎(オオヤマセイイチロウ)
1971年埼玉県生まれ。京都大学推理小説研究会出身。サークル在籍中は「犯人当て」の名手として知られた。2004年、『アルファベット・パズラーズ』でデビュー。’13年、『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞。’18年発表の『アリバイ崩し承ります』が『2019本格ミステリ・ベスト10』国内ランキング第1位に、’20年には連続ドラマ化され、大きな反響を呼ぶ(「BOOK」データベースより)
著者:有栖川有栖(アリスガワアリス)
1959年大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。在学中は推理小説研究会に所属。’89年に『月光ゲーム』で鮮烈なデビューを飾り、以降「新本格」ミステリムーブメントの最前線を走りつづけている。2003年に『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、’08年に『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞、’18年に「火村英生」シリーズで第3回吉川英治文庫賞を受賞

 

タイトルとURLをコピーしました