medium 相沢 沙呼

相沢沙呼
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ー全てが伏線ー
~妨げようのない死が訪れようとしている~

こんにちは、くまりすです。今回はミステリランキング5冠を達成した相沢沙呼medium」をご紹介いたします。

story

死者が視える霊媒・城塚翡翠と、推理作家・香月史郎。心霊と論理を組み合わせ真実を導き出す二人は、世間を騒がす連続死体遺棄事件に立ち向かう。証拠を残さない連続殺人鬼に辿り着けるのはもはや翡翠の持つ超常の力だけ。だがその魔手は彼女へと迫りー。ミステリランキング5冠、最驚かつ最叫の傑作!

霊媒の少女×小説家

小説家香月史郎はあることがきっかけで霊媒城塚翡翠と知り合う。香月は霊媒の能力に疑問を抱きながらも、彼女の不思議な魅力にひかれつつあった。ある日、殺害現場に居合わせた彼女はその現場を見ただけで突然犯人像を口にしたのである。

霊媒というと死者の霊を見たり、感じたり、呼び出したりもできる人の事であるが、彼女はその特殊な能力を使って犯人像が見えたり、言い当てたりすることできるらしい。香月はそのヒントをもとに、犯罪の証拠や動機を探す探偵の役割なのだ。

探偵小説には犯人が分からずそれを推理する「本格」ミステリーや、犯人、動機、トリックなどがあらかじめ示されており、探偵がそれを推理する過程を描く「倒叙」ミステリーなどの形式があるが、このミステリーはその間の、犯人もしくは犯人像がわかっているが、そのトリックや動機などが最後まで明かされない半倒叙」ミステリーという位置づけである。

謎を解く楽しさも本格ミステリーよりも答えに近い。パズルを解くような感覚で探偵気分を味わえるのがこの物語の魅力の一つである。

まさに全てが伏線

全てが伏線ー。
そういわれると小説内の出来事、登場人物のセリフや行動など、全てが怪しく思えてしまう。

妨げようのない死が訪れようとしている。」

美人で北欧系の顔立ちの翡翠は、しぐさや性格がとてもかわいらしい少女だ。彼女の死の予言にハラハラしながらも、霊媒だからなんとか防ぐことができるんじゃないかという希望と、霊媒だからこそ先を見通せる力をもっているんじゃないかという嫌な予感と。冒頭からすでに疑心暗鬼になってしまう。

霊媒探偵というオカルトミステリーの要素があり、それでいて、かわいい女性が沢山出てくるところなどライトなところもあり、章が変わるごとにどんどんイメージが変わる。

文章、描写や、そこから受け取る感情。もしかしたらそれも伏線なのだろうか?そう、最初からすでに著者の掌の上なのである。

感想

普段、霊などが出てくるものは怖くてあまり読まないのですが、ミステリーランキング5冠という謳い文句につられて購入しました。

著者の作品は初めて読みますが、人が死なない”日常の謎”のミステリーばかりを描かれていたようです。ここにきて初めて禁じ手の殺人事件を描き、それが様々なミステリーランキングに選ばれるというのはすごい事ですね。また、ジャニーズWEST 中間淳太さんの推薦も同書の人気に火をつけようです。

多くの探偵小説の場合、頼りない助手という設定が多いのですが、この助手翡翠は霊媒の説得力が正解に導いてくれそうな心強さです。友達以上恋人未満のドキドキ感もあり、彼らのやり取りに注目です。

マジックが趣味だという著者、どんでん返しのラストは本当に驚かされ、どこまでが本当なのかと最後の最後まで目が離せません。次から次へと仕掛けが明かされていく様はまさにマジックの種明かしのようでした。

著者:相沢沙呼(アイザワサコ)
1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本書で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位の5冠を獲得(「BOOK」データベースより)
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