青春時代の甘酸っぱい恋を思い出したり、もしくはまだ見ぬ運命の人を想像したり…ドキドキや切ない気持ちになる。そんな心にたくさんの刺激を与えてくれる恋愛小説。
恋をすると相手の何気ない一言に一喜一憂したりして、知らなかった自分の一面を発見し戸惑いますね。理屈では説明できない複雑な感情は感情豊かな人間らしさの証拠でもあります。心ときめく恋愛小説は、あなたの魂を揺さぶることでしょう。
また、一言で恋愛小説と言っても愛の形は様々です。沢山ある恋愛小説の中で、私のイチオシの作品を10冊選びました。多くの人に読まれているロングセラ―、ベストセラー作品を中心に恋愛小説のイメージがない作家まで、様々な角度から恋愛を楽しむことが出来ます。人気作家の新たなる一面に出会えるかもしれません。
※純愛度が高いものから順に書いています。
レインツリーの国 有川 浩
~会ったこともないキミに恋をした。メールから始まる二人の物語~
story:昔読んだ本の結末が納得いかず、ずっと心に引っかかっていた僕。ある時、僕の思いと同じ感想を書いているブログを見つけ、思わずメール送ってしまう。そこから彼女とのメールやりとりが始まった。次第に僕は彼女に会いたいと思うようになっていたが、彼女にはどうしても会えない理由があって…
メールから始まる恋なんてドキドキしますね。
この小説は、多くの恋愛小説を出している有川浩の代表作の一つで、2015年に映画化されています。「図書館戦争シリーズ」のスピンオフですが、このシリーズを読んでいない方でも楽しめます。
心から好きになった人。相手の条件や容姿などを考えない純粋で真っ直ぐな想いが胸を打ちます。彼女の置かれている立場は知らなかったでは済まされない。考えさせられる作品です。
ページ数もそんなに多くはなく、長編小説が苦手な方でも読みやすいでしょう。
運命の恋 胸キュン度★★★★★【すれ違い・両想い・恋の障害・青春】
高知県生まれ。第10回電撃小説大賞『塩の街 wish on my precious』で2004年デビュー。『植物図鑑』『キケン』『県庁おもてなし課』『旅猫リポート』で、4年連続ブクログ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)
アマゾンプライム(有料)
カフーを待ちわびて 原田 マハ
~私を、あなたのお嫁さんにしてくださいますか~
story:もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてくださいー。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。「嫁に来ないか。」と書いた明青のもとに、神様が本当に花嫁をつれてきたのだー。(「BOOK」データベースより)
日本ラブストーリー大賞を受賞した原田マハのロングセラー恋愛小説。玉山鉄二さん主演で映画化もされています。
自然豊かな海、大らかで人間愛に溢れた人達、のんびりとした日常、そんな沖縄のイメージそのものの物語の舞台に純粋な主人公と愛犬カフー。こんなにも主人公に幸せになって欲しいと思いながら読んだのは久しぶりで、「自然とやさしい気持ちになれる作品」と絶賛されたのも納得の純愛の物語です。
相手の気持ちに寄り添う優しい主人公と可愛いヒロイン。純粋な恋の行方は思わぬ障害と運命のいたずらに翻弄され、やがて思いがけない結末へ。世界中でたった一人と偶然ではなく運命の出会い。
沖縄の小さな島でくりひろげられる、やさしくて、あたたかくて、ちょっぴりせつない恋の物語です。
運命の恋 純愛度★★★★★【純粋な恋・家族の絆・南の島・奇跡】
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部および早稲田大学第二文学部卒業。2005年「カフーを待ちわびて」第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し作家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を、17年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞(「BOOK」データベースより)
夜のピクニック 恩田 陸
~雑音はうるさいけど、やっぱり聞いておかなきゃなんない時だってあるんだよ。おまえにはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが聞こえるのって、今だけだから~
story:高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するためにー。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。(「BOOK」データベースより)
本屋大賞、吉川英治文学新人賞を受賞した長編青春小説。2006年に映画化されています。
著者の恩田陸は「蜜蜂と遠雷」で直木賞と本屋大賞のW受賞し、この作品と合わせて本屋大賞を2回も受賞。どちらも史上初の快挙です。
朝の8時から翌朝8時まで本の少しの仮眠をはさんで、丸一日歩き続ける。全校生徒で行う年一回の「歩行祭」はそれだけ聞くととても参加したいとは思わないですよね。学生たちは意外にもこの行事に重きを置いているのはどうしてだろうかという疑問からこの物語が始まります。
読みやすい文章で、学生が共感できる悩みや人間関係を通して人生について考えさせられます。
恋、友情、そして家族など自分を取り巻く状況が果たしてこのままで良いのか、どうしたら良い未来につなげられるのだろうか。先の未来に続く道の先を考えた時、子供の目線から大人の目線へと主人公たちの心の変化の機微が描かれていて、これから社会へ出る学生さんにこそ読んで欲しい小説です。
運命の恋 青春度★★★★★【家族愛・友情・すれ違い・学生・人生】
1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。’92(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、’06年『ユージニア』で日本推理作家協会賞をそれぞれ受賞した。ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)
夜は短し歩けよ乙女 森見 登美彦
~読者諸君におかれましては、彼女の可愛さと私の間抜けぶりを二つながら熟読玩味し、杏仁豆腐の味にも似た人生の妙味を、心行くまで味わわれるがよろしかろう~
story:「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作。([BOOK」データベースより)
山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれたベストセラー小説。2017年にアニメーション映画化されています。
日本の近代文学を多く読んだという表現森見登美彦の作品は、古典日本語を多用し、日頃あまり聞かないような熟語なんかも数多く出てくる。その割に肩の力が抜けた、ダメな大人の見本のような登場人物も多いのが特徴。読み終えるには時間がかかるかもしれないが、諧謔的な文章でファンタジー要素が多い物語は、楽しい読書時間を約束してくれる。
純粋で世間に染まっていない彼女と、彼女に憧れる奥手な妄想インテリ男子大学生すれ違いが面白い。ユーモアあふれる二人の姿もどこか文学的で趣があり、独特の世界観を味わえます。
文学的で、コミカルな恋愛小説を読みたい方に。
運命の恋 コメディ度★★★★★【片思い・ファンタジー・京都・青春】
1979年、奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で第20回山本周五郎賞受賞。10年『ペンギン・ハイウェイ』で第31回日本SF大賞受賞。16年『夜行』で第156回直木賞候補。18年『熱帯』で第160回直木賞候補、翌年第6回高校生直木賞受賞(「BOOK」データベースより)
アイネクライネナハトムジーク 伊坂 幸太郎
~俺、出会いがないって理由が一番嫌いなんだよ~
story:妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL…。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。([BOOK」データベースより)
目次:アイネクライネ/ライトヘビー/ドクメンタ/ルックスライク/メイクアップ/ナハトムジーク
伊坂幸太郎唯一の恋愛小説で、ベストセラーとなった連作短編集。
第一篇「アイネクライネ」は伊坂幸太郎が大ファンのミュージシャンの斉藤和義から作詞の依頼を受けたことをきっかけに書いた作品。また、第二篇「ライトヘビー」は斉藤和義のシングルカット「ベリーベリーストロング~アイネクライネ~」の初回限定特典として書き下ろされた小説です。
さらに、2019年に映画化され、主題歌と劇中音楽を斉藤和義が手がけました。
伊坂幸太郎作品は、時間軸をトリックとしたストーリー展開と個性豊かな登場人物で人気の作家。その技巧は恋愛小説でも健在です。人と人が意外な所で繋がっていて面白く、名言も数多く飛び出す。出会った瞬間に燃えるような愛ではなく、日常の生活を積み上げていく過程で培ってきた愛。後から考えたらそれが運命だったというような出会いが描かれている。さりげないトキメキと、暖かさと、そしてちょっと切ない、そんな何気ない日常が愛おしくなる愛が味わえる一冊です。
運命の出会い 友愛度★★★★★【夫婦・家族愛・人とのつながり・現在進行形の愛】
1971年千葉県生まれ。2000年『オーデュボンの祈り』で、第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第二十五回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で第五十七回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で第五回本屋大賞と第二十一回山本周五郎賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)
マチネの終わりに 平野 啓一郎
~地球のどこかで、洋子さんが死んだって聞いたら、俺も死ぬよ~
story:天才クラシックギタリスト・蒔野聡史と、国際ジャーナリスト・小峰洋子。四十代という“人生の暗い森”を前に出会った二人の切なすぎる恋の行方を軸に、芸術と生活、父と娘、グローバリズム、生と死などのテーマが重層的に描かれる。いつまでも作品世界に浸っていたいと思わずにはいられないロングセラー恋愛小説を文庫化!([BOOK」データベースより)
累計部数50万部以上を記録したロングセラー小説。芥川賞受賞作家の又吉直樹さんや読書芸人の若林正恭さんも絶賛。福山雅治さんと石田ゆり子さんで映画化され話題になりました。
グローバルな舞台、芸術家という職業、美男美女の恋。全てがロマンティックな雰囲気に包まれていて、まさに恋愛小説の王道。人生順風満帆の二人が出会ってしまった恋に戸惑い、受け入れ、そしてそれぞれが選ぶ道。その過程の繊細な心情描写がなんとも切なく、美しい。
一方で、戦争や犯罪など世界各国で起こっている社会問題や、家族を始めとする人間の出会いと別れなどにも焦点を当てる。自立した大人の、切っても切り離せない日常もしっかりと描かれていて、恋愛だけではないリアリティのあるしっかりとした大人の愛と人生の物語になっています。
究極の愛 ロマンティック度★★★★★【切ない・運命の愛・芸術家・パリ】
1975年、愛知県生まれ。北九州市出身。1999年、京都大学法学部在学中に投稿した『日蝕』により芥川賞受賞。以後、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2020年からは芥川賞選考委員を務める。主な著書は、小説では『葬送』『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)『かたちだけの愛』『空白を満たしなさい』『透明な迷宮』『ある男』(読売文学賞受賞)などがある。16年刊行の長編小説『マチネの終わりに』(渡辺淳一文学賞受賞)は累計60万部を超えるロングセラーとなった
Nのために 湊 かなえ
~その秘密を知られてはいけない・ミステリー×純愛~
story:超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか?それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか?切なさに満ちた、著者初の純愛ミステリー。(「BOOK」データベースより)
湊かなえといえばイヤミスというイメージがありますが、これは純愛×ミステリーという異色の組み合わせ。この小説は2014年にTVドラマ化されています。
物語はミステリーの要素の方が強めで、恋愛部分ははっきりと見えてきません。事件の謎と誰が誰を想っているのかというところとの2つの謎が登場人物の証言によってだんだんと明るみに出てくる仕掛け。
好きな相手を推理できれば、事件の謎も解けそうな感じなのだが、届きそうで届かない。彼らの過去の物語も湊かなえらしさ全開でページをめくる手が止まらなかった。ミステリーを楽しみながらも、本当の愛とは何かを問う究極の愛の物語を味わうことができる。
究極の愛 ハラハラ度★★★★★【ミステリー・片思い・家族愛・歪んだ愛】
1973年広島県生まれ。2007年に「聖職者」で小説推理新人賞を受賞。08年同作品を収録した『告白』は、第6回本屋大賞を受賞した。12年「望郷、海の星」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)
盲目的な恋と友情 辻村 深月
~好きだからって言うけど、『好き』って気持ちはそんな、何もかもより一番偉いの?~
story:タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花(いちのせらんか)は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。だが、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂実星近(しげみほしちか)が、彼女の人生を一変させる。茂実との恋愛に溺れる蘭花だったが、やがて彼の裏切りを知る。五年間の激しい恋の衝撃的な終焉。蘭花の友人・留利絵(るりえ)の目からその歳月を見つめたとき、また別の真実がーー。男女の、そして女友達の妄執を描き切る長編。(出版社より)
直木賞や本屋大賞など数々の賞を受賞している辻村深月の恋愛小説。解説は山本文緒。
恋愛小説にはいろいろありますが、この小説は嫉妬や、執着といった恋愛の負の部分に焦点が当てられています。女性の心の機微を表現するのが上手な著者ならではの視点で描かれる物語は、説得力があり、共感できる部分も多いながらもぞっとさせられる。そのバランスが絶妙です。
なかなかダークな展開ですが、そこまで重くは感じられず、ミステリーの要素もあるストーリは面白く読みやすい。最後まで気の抜けない展開になっています。
見てはいけないものを見たような、読み終わった後の何とも言えない感情をぜひ味わってほしい。
盲目的な愛 情緒不安定度★★★★★【友情・美男美女・執着・妄想・嫉妬・ミステリー】
1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞
孤島の鬼 江戸川 乱歩
~君は美しい~乱歩にしか書けない同性愛ミステリー
story:初代は3歳で親に捨てられた。お守り代わりの古い系図帳だけが初代の身元の手がかりだ。そんな初代にひかれ蓑浦は婚約を決意するが、蓑浦の先輩で同性愛者の諸戸が初代に突然求婚した。諸戸はかつて蓑浦に恋していた男。蓑浦は、諸戸が嫉妬心からわざと初代に求婚したのではないかと疑う。そんなある日自宅で初代が殺された。これは恐ろしく壮大な物語の幕開けに過ぎなかったー。(「BOOK」データベースより)
この小説は乱歩が森鷗外の随筆に着想を得た作品で、筒井康隆など、乱歩の最高傑作として挙げる作家も少なくない。乱歩自身も長編では本作が一番出来が良いと考えていたようです。
今の基準で考えるとタブーとされる内容も多く含まれていますが、それが乱歩のおどろおどろしい世界観を完成させているとも言える。江戸川乱歩の凄さが分かる一冊。
本筋は密室などの本格ミステリーと孤島冒険の財宝探しのストーリーであり、乱歩らしい怪奇色も強い。その舞台に主人公とその友人である美男子との同性愛が展開されるわけですが、その愛の行方が本筋をさらにスリルを高めている。緻密な構成と伏線に最後の最後まで展開が読めず、同性愛ならではの複雑な心境もしっかり描かれている。文豪の恋愛小説を読みたい方に。
不倫愛 同性愛度★★★★★【本格ミステリー・秘境冒険・探偵・執着】
1894年三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー。以後、「D坂の殺人事件」「心理試験」などの探偵小説を次々発表。怪奇小説、幻想小説にも優れた作品が多い。65年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)
A2Z 山田 詠美
~結婚している者がうっかり恋に落ちてしまったら…大人の極上の恋愛小説~
story:文芸編集者・夏美は、年下の郵便局員・成生と恋に落ちた。そんな時、同業者の夫・一浩から恋人の存在を打ち明けられる…あるべき男女関係をぶち壊しているように思われるかもしれないが、今の私たちには、これが形ーー。AからZまでの26文字にこめられた、大人の恋のすべて。(「BOOK」データベースより)
直木賞を始め様々な文学賞を受賞している山田詠美の読売文学賞受賞作。
既婚者が恋人を作ったらそれは不倫…ですが、この夫婦の関係はそんなことがあっても壊れることはなく、寧ろその出来事を通して相手の新たな一面を見つけて絆を深めていきます。
結婚とは相手を縛ることではない。恋をするのはいつだって素敵なこと。
他人には理解できない二人のルールも彼らにとってはそれが一番しっくりくる。考えてみれば、長く一緒に暮らすことができるパートナーに巡り合うことはすごく幸運なことなのかも知れない。
結婚や恋について考えさせられる小説です。
不倫愛 大人の恋愛度★★★★★【W不倫・両想い・キャリアウーマン・お洒落な恋愛・】
1959年東京都生まれ。85年「ベッドタイムアイズ」で作家デビュー。『ソウル・ミュージック ラバーズ・オンリー』で直木賞、『トラッシュ』で女流文学賞、『A2Z』で読売文学賞、『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、『ジェントルマン』で野間文芸賞、「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。著書多数