2020年 本屋大賞(更新)

本屋大賞
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2020年 本屋大賞受賞作品一覧

 

本屋大賞とは、全国の書店員が選んだいちばん!売りたい本」です。
書店に行くと、多くの本が並んでいますが、どの本を買ったらよいか迷いますよね。書店員さんは毎日本に触れていて、多くの本を読まれる方が多いです。また、著者や売れ筋について多くの知識を持ち、情報交換も盛んに行っています。

本屋大賞は過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」本を投票し決めるものです。その中で選ばれた上位10作品が入賞します。

全体を通して比較的読みやすく、多くの読書家の間でも人気の作品が多い傾向ですので、本選びに迷ったら、是非参考にしてください。

流浪の月 凪良 ゆう

BL小説家として10年以上の経歴を持つ凪良ゆうの2020年の本屋大賞受賞作。BL小説出身の作家が本屋大賞を受賞するのは史上初の快挙。映画も2022年5月に公開予定。

両親との別離によって孤独になった更紗はある日、文という青年と出会った。自分と同じような悩みを抱えていると感じた更紗は、彼と心を通わせていく。しかし、世間は小学生の更紗と大学生の文との心の交流を理解せず、二人を引き離します。時が過ぎ、世間の目から身をひそめるように生きてきた二人は再開するが…

ひとたび犯罪者や被害者のレッテルを貼られるとどうなるのか。罪を償った後の彼らの孤独や苦悩が描かれています。自分の気持ちがまるで通じない苛立ちや虚しさや、世間からはじき出される実感は鳥肌もの。同じ気持ちを抱えた二人の行方が気になり、幸せを願わずにはいられません。自分らしい生き方を考えさせられます。

心から安心できる居場所が欲しいと望んでいる人は意外と多いのではないでしょうか。ふとした時に孤独を感じる孤独。それを埋めてくれる存在って貴重ですよね。
読みやすい文章と、繊細な心の機微を描くことで人気の作家。今、一番話題の小説です。

読書ブログはコチラ☛「流浪の月」凪良ゆう
著者:凪良ゆう(ナギラユウ)
滋賀県生まれ。“小説花丸”2006年冬の号に中編「恋するエゴイスト」が掲載される。翌年、長編『花嫁はマリッジブルー』で本格的にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

ライオンのおやつ 小川 糸

人生の最後に食べたいおやつは何ですかーー
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
ーー食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。(出版社より)

読書ブログはコチラ☛「ライオンのおやつ」小川糸
著者:小川糸(オガワイト)
1973年生まれ。2008年『食堂かたつむり』でデビュー。2010年に映画化され、2011年にイタリアのバンカレッラ賞、2013年にフランスのウジェニー・ブラジエ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

線は、僕を描く 砥上 裕將

2020年本屋大賞第3位、ブランチBOOK大賞2019受賞。こころ温まる水墨画青春小説
ひょんなことから水墨画の巨匠、篠田湖山に気に入られて水墨画を始めることとなった主人公の青山霜介。両親の死以後、生きる気力を失っていた霜介は次第に水墨画の世界へのめりこんでいく…

日常の生活で水墨画に触れる機会はあまりない気がします。しかし小学生の頃、墨をすったり、筆で習字を描いたりした経験は誰にでもあるはず。詳しくその世界が分からなくても、なんとなくイメージは出来たりします。

字を書くのですら難しいものをやり直しなしの一発勝負で描く水墨画は、墨の濃淡、線の太さなどを変えて墨一色でこの世の森羅万象を表現しなければいけません。厳しい世界に生きる若い水墨画家たちとの触れ合いを通して、主人公は生きていくための心の強さを身に付けていく。

水墨画についても丁寧に描かれていて、とても読みやすい青春小説。若い人たちにもぜひ読んで欲しい。漫画化もされています。

読書ブログはコチラ☛「線は、僕を描く」砥上裕將
著者:砥上裕將(トガミヒロマサ)
1984年生まれ。福岡県出身。水墨画家。『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作はブランチBOOK大賞2019受賞。2020年本屋大賞第3位に選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

ノースライト 横山 秀夫

ベストセラー小説「64」から6年、待ちに待った横山秀夫の新作。こちらも集計期間が8日しかないにも関わらず、当ブログ2021年下半期閲覧数ランキングが10位に入った人気作品です。

「全てお任せします。青瀬さん、あなた自身が住みたい家を建てて下さい。」
クライアントからそう言われ、建築士の青瀬稔は彼自身の代名詞ともいえる最高傑作の家を建てた。しかし、絶賛され、彼の名をあげたその家には誰も住んでいないことを知る。プライドを傷つけられ、自信が揺らいだ青瀬はその真相を知るために、持ち主を探し始めたが…

重厚な人間ドラマが魅力的な著者の作品は、等身大の人物像がとてもリアル。この作品も家族や同僚の関係、仕事の評価、夢など決して表面的ではない人生の機微まで描き切っています。どの登場人物も人間くさく、それぞれ人生のストーリーを連想させ共感できる。心動かされる人間ドラマとミステリーの面白さを兼ね備えた物語は涙なしには読めません。

読書ブログはコチラ☛「ノースライト」横山秀夫
著者:横山秀夫(ヨコヤマヒデオ)
1957(昭和32)年、東京生れ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒。上毛新聞社での12年間の記者生活を経て、作家として独立。’91(平成3)年、『ルパンの消息』がサントリーミステリー大賞佳作に選出される。’98年「陰の季節」で松本清張賞を受賞する。2000年、「動機」で日本推理作家協会賞を受賞。現在、最も注目されるミステリ作家のひとりである(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

熱源 川越 宗一

樺太アイヌの戦いと冒険を描いた第162回直木賞受賞作。

北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。アイヌのヤヨマネクフとサハリンに流刑になったポーランド人二人の生涯、そして激動の時代を描いた圧巻の歴史小説。

この物語の中心は故郷を奪われた人々の群像劇ですが、アイヌの風俗や習慣など民俗学的視点においても面白い。アイヌは人間が逆らうことの出来ない自然の事象や動植物などにも神(カムイ)の存在を見いだし築いてきました。「熊送り」という儀礼や入墨の習慣など、驚くべき伝統文化が数多く描かれています。

日本、ロシア、そして2つの国に翻弄された樺太を舞台に、明治、大正、昭和と時代を超えた壮大なスケールで描かれた物語です。

読書ブログはコチラ☛「熱源」川越宗一
著者:川越宗一(カワゴエソウイチ)
1978年、大阪府生まれ。龍谷大学文学部史学科中退。2018年、「天地に燦たり」で第25回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)(「BOOK」データベースより)

medium霊媒探偵城塚翡翠 相沢 沙呼

ステリランキング5冠の話題のミステリー小説。

死者が視える霊媒・城塚翡翠と、推理作家・香月史郎。心霊と論理を組み合わせ真実を導き出す二人は、世間を騒がす連続死体遺棄事件に立ち向かう。証拠を残さない連続殺人鬼に辿り着けるのはもはや翡翠の持つ超常の力だけ。だがその魔手は彼女へと迫りー。

翡翠は霊媒探偵で霊が視えるため、ホラー小説とまでいきませんが、やはりちょっとした奇妙さはあります。
かわいらしい翡翠との友達以上恋人未満のやりとりや、女子高生が沢山出てきたりするところなど男性諸君には羨ましい展開も。

この物語は全てが伏線とあらかじめ謳われていたので、最初から推理しながら読んでいましたが、それでも見事に騙されました。文字通り、文章や描写、そこから読者が受け取る感情などその全てが伏線。思いもかけない展開で、最後の最後まで驚きの連続でした。

著者:相沢沙呼(アイザワサコ)
1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本書で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位の5冠を獲得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

夏物語 川上 未映子

大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく。生命の意味をめぐる真摯な問いを切ない詩情と泣き笑いの筆致で描く、全世界が認める至高の物語。(出版社より)

著者:川上未映子(カワカミミエコ)
大阪府生まれ。2007年、『わたくし率 イン 歯ー、または世界』が第137回芥川賞候補に。同年、第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞、短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年『マリーの愛の証明』でGranta Best of Young Japanese Novelists、『あこがれ』で第1回渡辺淳一文学賞。2019年、『夏物語』で第73回毎日出版文化賞文学・芸術部門受賞、米TIME誌が選ぶ2020年ベスト小説10冊、米New York Timesが選ぶ今年の100冊、米国図書館協会が選ぶ2021年ベストフィクションの11冊などにも選ばれ、世界40か国以上で翻訳される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

ムゲンのi 知念 実希人

2020年本屋大賞ノミネート作品。小説家と医師の二足の草鞋を履く知念実希が描く医療×ファンタジー×ミステリーの新感覚小説。

ただひたすら眠り続ける奇病「レイス」を突然、同じ日に四人が発症した。彼らの内三人の治療を任された医師、識名愛衣は彼らを助けるべく治療法を模索する。そんな時、世間で頻繁に起きている通り魔殺人事件のニュースに過去のトラウマが呼び起こされ…

可愛い表紙そのままのファンタジーの要素もありつつ、しっかりとしたミステリー。連続殺人事件の謎、病院の謎、相棒ククルの正体と、沢山の謎が散りばめられ、それがどんどん繋がっていく展開に手に汗を握ります。医学の知識のある著者ならではの説得力がある医療の話と、真逆のファンタジーを見事に両立させていて、予想もつかない展開に。

上下巻の長編だが、読みやすく面白い。心温まるこの物語、多くの若者にこそ読んで欲しい。

読書ブログはコチラ☛「ムゲンのi」知念実希人
著者:知念実希人(チネンミキト)
1978年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、内科医に。2011年、ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、『誰がための刃 レゾンデートル』(『レゾンデートル』に改題して19年に文庫化)でデビュー。18年に『崩れる脳を抱きしめて』、19年に『ひとつむぎの手』が続けて本屋大賞ベスト10入りを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

店長がバカすぎて 早見 和真

谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる!毎日「マジで辞めてやる!」と思いながら、しかし仕事を、本を、小説を愛する京子はー。全国の読者、書店員から、感動、共感、応援を沢山いただいた、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作にして大ヒット作。巻末にボーナストラック&早見和真×角川春樹のオリジナル対談を収録!([BOOK」データベースより)

著者:早見和真(ハヤミカズマサ)
1977年、神奈川県生まれ。2008年『ひゃくはち』でデビュー。同作は映画化、コミック化されベストセラーとなる。14年『ぼくたちの家族』が映画化、15年『イノセント・デイズ』が第68回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞、テレビドラマ化もされ大ベストセラーとなる。20年『ザ・ロイヤルファミリー』で第33回山本周五郎賞及びJRA賞馬事文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

むかしむかしあるところに、死体がありました。 青柳 碧人

こ昔ばなしが、まさかのミステリに!「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さまご存じの“日本昔ばなし”を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといったミステリのテーマで読み解いたまったく新しいミステリ。「え!なんでこうなるの?」「なんと、この人が…」と驚き連続の5編を収録。数々の年間ミステリにランクイン&本屋大賞ノミネートを果たした話題作、待望の文庫化。([BOOK」データベースより)

著者:青柳碧人(アオヤギアイト)
1980年千葉県生まれ。早稲田大学卒業。2009年『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)
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