2022年 本屋大賞(12/11更新)

本屋大賞
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2022年 本屋大賞

 

本屋大賞とは、全国の書店員が選んだいちばん!売りたい本」です。
書店に行くと、多くの本が並んでいますが、どれを買ったらよいか迷いますよね。書店員さんは毎日書籍に触れていて、たくさん読まれる方が多いです。また、著者や売れ筋についての知識が豊富で、情報交換も盛んに行っています。

本屋大賞は過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」本を投票し決めるものです。ノミネートされた上位10作品の中から選ばれます。

全体を通して比較的読みやすく、多くの読書家の間でも人気の作品が多い傾向ですので、本選びに迷ったら、是非参考にしてください。

※全て単行本です(2022年4月6日現在)

同志少女よ、敵を撃て 逢坂 冬馬

「凄い新人が現れた!」と話題になった逢坂冬馬のアガサ・クリスティー賞受賞、2022年本屋大賞ノミネート作品。

小さな村に住んでいた少女セラフィマは、突如現れたドイツ軍に殺されそうになったところを赤軍兵に助けられます。殺された家族や村人の敵を討つために、狙撃訓練学校で狙撃兵としての訓練を受けることになった彼女は、そこで同じような境遇の仲間と出会い、やがて戦地へ赴くことに…

第二次世界大戦中の独ソ戦において射撃手として戦った少女の物語。
権力者のエゴとプロパガンダによって、大切な家族と日常を奪われた少女セラフィマ。彼女の目に映る戦いの描写が生々しく、戦争の残酷さ、理不尽さ、そして人間の脆さが伝わってきます。その一方で、少女の成長や友情も描かれていて、テンポの良いストーリーは読みやすく面白い。

言葉や歴史も丁寧に説明されていて、戦史に苦手意識のある人でも手に取りやすい。
同じ過ちを繰り返して欲しくない。彼女たちの目から歴史を知ることで、より平和の尊さを実感できるでしょう。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「同志少女よ、敵を撃て」逢坂冬馬
著者:逢坂冬馬(アイサカトウマ)
1985年生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒、『同志少女よ、敵を撃て』で、第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

赤と青とエスキース 青山 美智子

2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作!
メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。
日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいくーー。
二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。

●一章 金魚とカワセミ
メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。
●二章 東京タワーとアーツ・センター
30歳の額職人・空知は、淡々と仕事をこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。
●三章 トマトジュースとバタフライピー
漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画のため、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。
●四章 赤鬼と青鬼
パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がきて……。(出版社より)

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画」。日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。一枚の「絵画」をめぐる、五つの「愛」の物語。彼らの想いが繋がる時、驚くべき真実が現れる!仕掛けに満ちた傑作連作短篇。

著者:青山美智子(アオヤマミチコ)
1970年生まれ、愛知県出身。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。第28回パレットノベル大賞佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。『お探し物は図書室まで』が2021年本屋大賞2位に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

スモールワールズ 一穂 ミチ

読売新聞、日経新聞、本の雑誌……各紙書評で絶賛の声続々!
「驚きの完成度!」–瀧井朝世さん(『スモールワールズ』公式HP書評より)
「BL界の鬼才恐るべし」–北上次郎さん(日本経済新聞 5月6日書評より)
夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。(出版社より)

目次:ネオンテトラ/魔王の帰還/ピクニック/花うた/愛を適量/式日

著者:一穂ミチ(イチホミチ)
2008年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

正欲 朝井 リョウ

人気直木賞作家・朝井リョウ、話題のベストセラー小説。2023年秋映画公開。

story:自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよなー。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。第34回柴田錬三郎賞受賞!(「BOOK」データベースより)

グローバル化が進む中で日本は国際社会から多様性を求められてきました。着々と法整備が進み、国民にも浸透してきつつある多様化社会ですが、果たしてそれは真の意味でマイノリティの人が求めている社会なのでしょうか。この『正欲』はマイノリティとマジョリティ双方から見た多様化社会の姿が描かれています。

生きづらさにあえぐ魂の叫びと、衝撃的なニュースからこの物語は始まります。他人と価値観や認識が大きく異なり、全く理解してもらえない悩みを持つ人々。生きている実感や喜びを感じ、分かち合える仲間すらもいない。想像を絶する人生を知り、私達は何を考え、どう行動するべきなのか。「他者と共存しながら自分らしく生きること」の難しさを考えさせられます。

傑作か、問題作か?見せかけの多様化社会に一石を投じる一冊です。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ読書ブログ『正欲』朝井リョウ
著者:朝井リョウ(アサイリョウ)
1989年、岐阜県生まれ。小説家。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第148回直木賞、14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

六人の嘘つきな大学生 浅倉 秋成

■■各種ミステリランキングで話題沸騰中■■

『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編 8位
週刊文春ミステリーベスト 10(週刊文春 2021年 12月 9日号)国内部門 6位
「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン 2022年 1月号)国内篇 8位
『2022本格ミステリ・ベスト10』(原書房)国内ランキング 4位

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を
得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とはーー。

『教室が、ひとりになるまで』でミステリ界の話題をさらった浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。

著者:浅倉秋成(アサクラアキナリ)
1989年生まれ。2012年に『ノワール・レヴナント』で第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

夜が明ける 西 加奈子

直木賞作家が5年間苦しみ抜いて到達した祈り。再生と救済の長篇小説。思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。どれだけ傷ついても、夜が深くても、必ず明日はやってくる。

著者:西加奈子(ニシカナコ)
1977年、テヘラン生まれ。2004年、『あおい』でデビュー。07年、『通天閣』で織田作之助賞を、13年、『ふくわらい』で河合隼雄物語賞を、15年、『サラバ!』で直木賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)([BOOK」データベースより)

残月記 小田 雅久仁

「俺は突然わけもわからないうちに何もかもを失って、一人になった!」不遇な半生を送ってきた男がようやく手にした、家族というささやかな幸福。だが赤い満月のかかったある夜、男は突如として現実からはじき出される(「そして月がふりかえる」)。「顔じゅうが濡れている。夢を見ながら泣きじゃくっていたのだ」早逝した叔母の形見である、月の風景が表面に浮かぶ石。生前、叔母は言った。石を枕の下に入れて眠ると月に行ける。でも、ものすごく「悪い夢」を見る、と…(「月景石」)。「満月はいつだって俺たちに言う。命を懸けろと」近未来の日本、人々を震撼させている感染症・月昂に冒された若者。カリスマ暴君の歪んだ願望に運命を翻弄されながら、抗い続けてゆく。愛する女のために(「残月記」)。ダークファンタジー×愛×ディストピア。息を呑む感動のエンターテインメント!(「BOOK」データベースより)

目次:そして月がふりかえる/月景石/残月記

著者:小田雅久仁(オダマサクニ)
1974年宮城県生まれ。関西大学法学部政治学科卒業。2009年『増大派に告ぐ』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、作家デビュー。12年に刊行した受賞後第一作の『本にだって雄と雌があります』で、第3回Twitter文学賞国内編第1位を獲得するなど熱い支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

硝子の塔の殺人 知念 実希人

ミステリを愛するすべての人へ

当作の完成度は、一斉を風靡したわが「新本格」時代のクライマックスであり、フィナーレを感じさせる。今後このフィールドから、これを超える作が現れることはないだろう。ー島田荘司

ああびっくりした、としか云いようがない。これは僕の、多分に特権的な驚きでもあって、そのぶん戸惑いも禁じえないのだがーー。ともあれ皆様、怪しい「館」にはご用心!ー綾辻行人

500ページ、一気読み!知念実希人の新たな代表作誕生
作家デビュー10年 実業之日本社創業125年 記念作品

雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、料理人など、一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。この館で次々と惨劇が起こる。
館の主人が毒殺され、ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。さらに、血文字で記された十三年前の事件……。
謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。散りばめられた伏線、読者への挑戦状、圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。著者初の本格ミステリ長編、大本命!

【目次】プロローグ/一日目/二日目/三日目/最終日/エピローグ/『硝子の塔の殺人』刊行に寄せて 島田荘司(出版社より)

著者:知念実希人(チネンミキト)
1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーに。『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi(上・下)』で、18年、19年、20年本屋大賞連続ノミネート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

黒牢城 米澤 穂信

ミステリー作家、米澤穂信の直木賞受賞作品。各ミステリー賞でも6冠を達成しています。

荒木村重が籠城する有岡城内で人質、自念が死んだ。自決かと思われたその死体にはなんと矢傷があり、その部屋は密室状態だった。村重の家臣たちの動揺を鎮めようと、その時に自念の部屋を見張っていた家臣から証言を取るも誰も犯行を行うことは不可能だと思われた。行き詰った村重は地下の牢に閉じ込めた黒田官兵衛の知恵を借りようとするのだが…

この物語は、織田信長に反旗を翻した村重が籠城した有岡城内で起こったミステリーを描いている。科学的な解決法は皆無なこの時代、探偵小説さながらに官兵衛、村重の冴えわたる推理が展開されます。

また、籠城の緊迫感のなか起こる事件は、人々の心に疑心暗鬼を植え付け、さらに次の事件の引き金に。追い詰められていく有岡城と村重、そして家臣たちとの関係の変化などが複雑に絡み合い、衝撃の結末へ向かって物語が動いていく。

ミステリの精髄と歴史小説の王道、歴史ミステリーの面白さを詰め込んだ一冊。

もう少し詳しい本の紹介、感想はコチラ👉読書ブログ「黒牢城」米澤穂信
【受賞・ランキング入賞結果】
第12回山田風太郎賞
『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編第1位
週刊文春ミステリーベスト10(週刊文春2021年12月9日号)国内部門第1位
「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン2022年1月号)国内篇第1位
『2022本格ミステリ・ベスト10』(原書房)国内ランキング第1位
「2021年歴史・時代小説ベスト3」(週刊朝日2022年1月14日号)第1位
『この時代小説がすごい! 2022年版』(宝島社)単行本第3位
著者:米澤穂信(ヨネザワホノブ)
1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞してデビュー。11年に『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』および15年発表の『王とサーカス』は3つの年間ミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続三冠を達成した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

星を掬う 町田 そのこ

町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。
小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。
その後、私は、母に捨てられたーー。
ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。
それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。
この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになってーー。(出版社より)

著者:町田そのこ(マチダソノコ)
1980(昭和55)年生れ。2016(平成28)年「カメルーンの青い魚」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。翌年、同作を含むデビュー作『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』を刊行。’21(令和3)年『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞([BOOK」データベースより)
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