2026年1月・2月に読んだ本

読書日記月別
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2026年1月・2月に読んだ本をまとめました。
人気作家さん、話題の本を中心に読んでいます。

私の満足度・おススメ度でをつけています。

★★★★★ とても良かった!!人に薦めたい!これを読まないなんて、人生損している!

★★★★  とても良かった!充実した時間をありがとう。是非、読んでみてください!!

★★★   読んで良かった。面白かったです。読んで損はない!

★★    少し難しかったかな?あなたの意見を聞かせてください。

     う~ん、今の私には難解だった。また、再挑戦します。

あくまで私の基準です。本選びの参考になればうれしいです。

開かせていただき光栄です 皆川 博子

★★★★★

story:18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が…解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描いた短篇を併録。(「BOOK」データベースより

産業革命が花開き、世界最大の大英帝国へと突き進む18世紀のイギリス。英国の繁栄をうかがわせる社交場・コーヒーハウスや地上の地獄とも呼ばれたニューゲート監獄、治安の悪い猥雑な街並み。近世のヨーロッパを舞台に、嬉々として死体を解剖する外科医や美少年、頭の切れる治安判事などが登場し、四股を切断された死体の謎を解く。

シャーロック・ホームズを彷彿させる物語は万人が好きな世界観。『開かせていただき光栄です』は耽美で怪奇な要素が色濃く、よりダークでファンタジー味のある本格ミステリーという印象を受けました。

また、物語の世界観もさることながら、このミステリーの魅力は何と言ってもあっと驚く仕掛け。二転三転する謎解きは面白く、驚きのどんでん返しに降参。
本格ミステリー大賞受賞も納得の人気ミステリーです。

皆川博子(ミナガワヒロコ)
1930年生まれ。72年『海と十字架』でデビュー。73年「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞後、ミステリ、幻想小説、時代小説、歴史小説等、幅広いジャンルで創作を続ける。85年『壁ー旅芝居殺人事件』で日本推理作家協会賞、86年『恋紅』で直木賞、90年『薔薇忌』で柴田錬三郎賞、98年『死の泉』で吉川英治文学賞、2012年『開かせていただき光栄です』で本格ミステリ大賞、同年日本ミステリー文学大賞、22年『インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー』で毎日芸術賞、二四年『風配図 WIND ROSE』で紫式部文学賞を受賞。一五年文化功労者、二五年旭日中綬章を受章(本データはこのブログ記載当時のデータです)(「BOOK」データベースより)

叫び 畠山 丑雄

★★★★★

story:聞いて欲しい人が、ひとりおるんです。政と聖を描く、衝撃の芥川賞候補作。早野ひかるは「先生」に打ちのめされ、銅鐸と土地の来歴を学び始める。ここではかつて罌粟栽培と阿片製造が盛んで、満州に渡って「陛下への花束」を編み、紀元2600年記念万博を楽しみにしていた青年がいた。いつしか昭和と令和がつながり、封印されていた声が溢れ出す。大阪と大陸で響き合う夢とロマン、恋愛政治小説。(JPROより)

昭和の万博工事の際に発見された鋳型から、弥生時代を代表する青銅器の一大生産地であったことがわかった大阪府茨木市。古来から繁栄の歴史を歩み続けたこの土地は、かつては日本一を誇る罌粟(ケシ)の産地でもありました。

罌粟は「阿片狂」こと二反長音蔵(にたんちょうおとぞう)が提唱したことで生産が広まりました。初めは薬用として栽培されていた罌粟は、やがて政治的理由から満州国などの占領地や植民地での栽培を拡大するようになっていったのです。

大阪万博や茨木市の郷土史に焦点を当てたこの物語は、自暴自棄になった主人公が、その土地にゆかりのある人たちを通して自身の存在意義を見出していく物語です。著者の郷土愛が感じられ、毒のある本音も大阪人らしい気軽なトークで笑いを誘います。また、クセのある主人公が危うげで、先の展開に興味を惹かれあっという間に読んでしまいました。

教科書に載っていない歴史を知ることは面白く、街の見え方も変わります。結末は賛否両論あると思いますが、しっかりと描かれた心情描写で純文学を楽しむことが出来ました。2025年芥川賞受賞作品。

著者:畠山丑雄(ハタケヤマウシオ)
1992年大阪生まれ。京都大学文学部卒。2015年「地の底の記憶」で文藝賞を受賞し、2025年『改元』が三島由紀夫賞候補となった。著書に『地の底の記憶』(河出書房新社)と『改元』(石原書房)がある。(新潮社より)

時の家  鳥山 まこと

★★★★★

story:青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。(「BOOK」データベースより)

心の安らぎを得られる場所、思い出を育む場所、人生を豊かにする場所。日常の舞台である家は単なる建物ではなく、人生を描く場所とも言われます。家は住人と共にストーリーを紡ぎ、やがてその歴史が閉じる瞬間まで私たちと共にあるのです。

『時の家』は、ある家に縁のある人々とその家の歴史を描いた物語。不安な日々、幸福を噛みしめた瞬間、その時々の想いを積み重ねて歩んでいく日常。そんな彼らの幾多の想いが沁み込んだ住まいの記憶が浮かんでは沈んでゆく。散文詩をを思わせる綿密な風景描写で、まるで「家」そのものが走馬灯を見ているかのような不思議な感覚を覚えました。読み終えてからは、なんとなく家に見守られているような気持に。

心が凪いでいくような静かな物語。
ノスタルジックな気持ちに浸れる一冊です。2025年芥川賞受賞作品。

鳥山まこと(トリヤママコト)
1992年兵庫県宝塚市生まれ。2023年「あるもの」で第29回三田文學新人賞を受賞。建築士でありながら、作家として執筆活動をしている。本書がはじめての単行本(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

カフェーの帰り道 嶋津 輝

story:東京・上野の片隅にある、あまり流行っていない「カフェー西行」。食堂や喫茶も兼ねた近隣住民の憩いの場には、客をもてなす個性豊かな女給がいた。竹下夢二風の化粧で注目を集めるタイ子、小説修業が上手くいかず焦るセイ、嘘つきだが面倒見のいい美登里を、大胆な嘘で驚かせる年上の新米・園子。彼女たちは「西行」で朗らかに働き、それぞれの道を見つけて去って行ったが…。大正から昭和にかけ、女給として働いた“百年前のわたしたちの物語”。(「BOOK」データベースより)

今から約100年程前、憧れのパリのカフェを模した「カフエー」が日本に誕生しました。庶民がコーヒーを味わえる場所として、また文士や画家などの文化人も多く訪れる社交場として流行し、接客をする「カフェーの女給」も人気を集めました。

物語は、当時もてはやされた職業婦人のひとつである「女給」5人の日常を描いた連作短編集。学歴や技術を持たない女性でもなれる女給という職業。対する男性の反応や、家族の在り方。働く女性が定着していない時代の風景がありありと目に浮かび、新しい時代の空気を感じながらも生活に根差している人々の温かい交流が情緒豊かに表現されています

戦前から戦後の困難な時代に翻弄される女性。悩みながらもたくましく人生を歩んでいく彼女達の姿が眩しい。昭和モダンの香り漂う一冊です。2025年直木賞受賞作品。

嶋津輝(シマヅテル)
1969年東京都生まれ。2016年、「姉といもうと」で第96回オール讀物新人賞を受賞。19年、同作を含む短編集『スナック墓場』で書籍デビュー(文庫化にあたり、『駐車場のねこ』と改題)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

熟柿 佐藤 正午

★★★★★

story:息子の顔見たさに何かひとつ事を起こせばそのたびにパトカーがやってくる。わたしはこれまで三回パトカーに乗った。そのことが繰り返される。それがわたしの人生になる。わたしはパトカーに乗り慣れた老人になどなりたくないし、そんな母親の姿を息子に見せたくもなかった。そんな母親が自分の産みの母親だと知られるべきではなかった。人生を踏み外した女性の静かな決意。『鳩の撃退法』(山田風太郎賞受賞)、『月の満ち欠け』(直木賞受賞)著者による最新長編小説。(「BOOK」データベースより)

何度もパトカーに乗せられるお母さんー。興味を惹かれる設定の『熟柿』は、平凡な人生を失った女性の半生を追ったリアルなストーリーが人気の小説です。

一度道を踏み外すとなかなか元のレールには戻れない日本の社会で、もし、自分がうっかりそんな罠に陥ったらどうなってしまうのだろうか…。知りたいような知りたくないような、失敗してしまった人生の手記を覗き見るのような書きぶりで、ぐいぐいと物語に引き込まれます。

一方で、感想も人によって異なるのもこの小説の大きな特徴かと。真面目で善良だけど、何事も受け身で流されやすい主人公。良くも悪くも等身大の日本人像が投影されており、だからこそ、共感しながら読むか、一歩引いて客観的に読むかで物語が違った印象に。

文学的なのにとても読みやすい文章で、押し寄せる緊迫感にページをめくる手が止まらない。
直木賞作家の話題の一冊です。

佐藤正午(サトウショウゴ)
1955年長崎県生まれ。83年『永遠の1/2』ですばる文学賞を受賞しデビュー。2015年『鳩の撃退法』で山田風太郎賞、17年『月の満ち欠け』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです))(「BOOK」データベースより)
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