初デートってドキドキ、ワクワクしたりして、楽しい思い出だったりするけれど、最後のデートは、はっきり覚えていないことが多い。もし、それがいい思い出として残っているのなら、それはとても大切な時間だったってこと。
story
中学三年生の彗子は両親の離婚後、月に一度、父の代わりに祖父と会っていた。公園でソフトクリームを食べ、海の見える岬まで軽トラを走らせるのがお決まりのコース。そんな一風変わったデートを楽しむ二人だったが、母の再婚を機に会うことをやめることになり…。表題作のほか、元不良と教師、バツイチOLと大学生、園児と保育士など、暖かくも切ない5つのデートを瑞々しく描いた短編集。 (「BOOK」データベースより)
中学三年生の彗子は両親の離婚後、月に一度、父の代わりに祖父と会っていた。公園でソフトクリームを食べ、海の見える岬まで軽トラを走らせるのがお決まりのコース。そんな一風変わったデートを楽しむ二人だったが、母の再婚を機に会うことをやめることになり…。表題作のほか、元不良と教師、バツイチOLと大学生、園児と保育士など、暖かくも切ない5つのデートを瑞々しく描いた短編集。 (「BOOK」データベースより)
著者が中学校教師をしていたという経歴を持っておられるせいか、5編のお話の中でも、先生や学生、子供が出てくる割合が高かったです。
作家さんの前職のネタ(軽く暴露)を書かれている作品はとても好きで「えっ、本当はそういう感じなんだ!」って、ストーリーと違う所で感心するのが2度おいしいというか…この作品ではさらっと触れてられているだけなので、深くつっこんだ教育現場の話も読んでみたい。
著者の作品は初めて読みましたが、地の文が淡々としていて、一文が短い。
最初はびっくりしましたが、無駄に語句を修飾せずに簡潔な文章で読みやすかったです。
登場人物は、特にすごい人や魅力的な人物が登場するわけでもなく、皆その辺にいる普通の人。その人達のごく普通の風景を切り取った、あたりまえの日常。それがその人にとっては大切な思い出になった出来事が描かれています。
誰にでもある苦かったり、センチメンタルになったりする思い出。その時に食べた味や風景もセットで思い出されるものなのです。
著者:瀬尾まいこ(セオマイコ)
1974年大阪府生まれ。2001年『卵の緒』で第7回坊ちゃん文学賞を受賞しデビュー。05年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、08年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、19年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞 (「BOOK」データベースより)
声優の江口拓也さんと西山宏太朗さんが朗読している「ファーストラブ」前半のみ試聴できます。