この作品は1953年に書かれた小説。ハヤカワ書房から2014年に刊行。
私は何も知らず、今人気があるということで読んでみることにしたのですが、そもそも、なぜ今になってランキングに入るくらい人気なの?NHK Eテレ番組「100分de名著」で5月末~6月にかけて特集を組んでいるから?この物語の状況が今の日本と似ているという話も。
story
華氏451度、この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく…。本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場! |
よく考えると海外のSF物を読むのは初めてだった。
読んでみて、確かにこれは解説欲しくなる。
文章の表現、最初はとっつきにくいかな。
「ものが火に食われ~真大いなる蛇が有毒のケロシンを~血流は頭の中で鳴わたり、両手はたぐいまれな指揮者の両手となって~」のところは、最初は全く理解できなかった。
ラウンジの部屋も親戚も最初謎だった・・・。
SFだからなのか、海外のものだからなのか、翻訳のせいなのか(クレームですか?)冒頭から頭の中が???前半、比喩の表現が多く(そこがいいところでもあるのですが)、勘の悪い私は、何度心が折れそうになったか。でも、途中面白くなってきてからは一気に読めた。
日本でテレビが普及したのが、1950年代後半~1960年代。アメリカでは同時期か少し前位からの普及ということを考えると作者は最初からTVなどの娯楽による人への影響を懸念していたのだろうけれど、それにしても確かに状況に似ているところも多い!
まさに、この物語のような状況になっている。人の記憶力は低下し、あまり深く物事を考えない。話の中身があまりない。(そういうおしゃべりも大事だけれどね)考える時間がない。キレる人が多い。
確かに思い出を積み重ねていくからこそ人との絆や情が生まれるものね。忘れちゃうと(記憶力がなくなると)そういうものが希薄になるっていうのは理解できる。
ただ、奥さんをはじめ、特に女性が頭と性格悪すぎて・・・何も考えなさすぎだよ。
あと、犬怖い。
でも、本当にただのSFだと気楽には思えなくなってきた。本を読む人が減り、電話がメールになり、メールがlineになり、lineの文字がスタンプになり・・・スマホ依存の人も増えてきているし、まさに!!
本当にこの物語のような未来にならないように願う・・・