彼女が好きなのはホモであって僕ではない 浅原 ナオト

浅原ナオト
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映画ボヘミアンラプソディーが世界的に大ヒットし、大きな話題となった。日本でも桁違いの人気で、米国に次いで2位の興行収入を記録した。もちろん私も見に行ったし、ケーブルTVの点検に来た兄ちゃんの着信音もQUEENだったりした。TV放映の時はtwitterを賑わせた。QUEENのボーカル フレディの楽曲、生き様、全てがかっこよくて、せつなくて心に残る。

映画ではフレディが同性愛者だということもしっかりと描かれているが、“それも含めて彼の個性だ”とすんなりと受け入れている人も多いのではないだろうか。

けれど、それは自分とは遠く離れた人だからで・・もし、身近な人がそうだったら?

Story
同性愛者であることを隠して日々を過ごす高校生・安藤純は、BL(ボーイズ・ラブ)好きの同級生・三浦紗枝の告白を受け入れ、付き合うことに。しかし、純には身体を許す既婚の中年男性のパートナーがいて…。純、紗枝を応援するクラスメイト、唯一純の苦悩を受け入れ共有してくれるネット上の友人「ミスター・ファーレンハイト」…周囲との軋轢の中、すれ違う二人が導き出した理想の関係とは?決して交わることのない少年と少女が、壊れそうな関係を必死に守ろうとする姿を追う感動の青春群像劇。

フォロワーさんに紹介していただいた本で、KADOKAWAが提供する小説投稿サイト「カクヨム」を経て、刊行されたそうです。

セクシュアリティーに悩む男子高校生の心の葛藤を中心に彼を取り巻く人間の心の表裏が描かれています。

カミングアウトする前と後での周りの人の態度が変わる怖さというのは、人の本音と建前をよく表していて、頭では理解しているつもりでも、口では賛同していても、実際身近な人間がそうだとしたら、今まで通り接することができるのだろうか?

主人公(安藤純)自身は、一見普通の高校生。違うのは女性より男性を好きになってしまうことだけ。普通になりたい。女性と付き合いたい。と心ではそう思っていても体は気持ちに通りにはいかず、悩み葛藤する。現実の残酷さが彼らを通して見えてくる。

かわいらしい表紙絵と裏腹に、LGBTの核心部をついた内容にびっくりした。
タイトルと表紙からライトノベルのBL小説だと思っていたんです。(ごめんなさい!)

重いテーマであるが、物語は青春恋愛小説であり、爽やかさが前面に出ていて、暗くならずに読めるのが良い。

あと個人的な話なんだけれども、純くんの彼氏が、ドラマ版では谷原章介さんだと知り、頭の中に鮮明に映像が浮かんできて、ちょっと笑っちゃった。イケメンで、ずるい大人がぴったりです。

各章のタイトルがQUEENの楽曲になっており、安藤純の心の内とシンクロする。

多くの人に読んで欲しい物語です。KADOKAWAさん、是非、来年夏のフェアには入れてください!

著者:浅原 ナオト
会社勤めの傍ら、小説投稿サイト「カクヨム」に2016(平成28)年10月より『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』を投稿開始。2018年に書籍化した同作品はNHKで「腐女子、うっかりゲイに告る。」というタイトルでドラマ化され、話題を呼んだ。そのほかの著作に『御徒町カグヤナイツ』、『#塚森裕太がログアウトしたら』がある。(新潮社 著者プロフィールより)

秋に映画化されるそうです。👇

TVドラマ版は「腐女子うっかりゲイに告る」というタイトルです。
っていうか、ファーレンハイトの声小野賢章さん 😯

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