クリスマス~一年で一番奇跡が起きる日~
こんにちは、くまりすです。今回は豪華人気作家による豪華なクリスマス・アンソロジーをご紹介いたします。
story
もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれるーー。六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士……! ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。(出版社より)
目次:逆算(朝井リョウ)/きみに伝えたくて(あさのあつこ)/一人では無理がある(伊坂幸太郎)/柊と太陽(恩田陸)/子の心、サンタ知らず(白河三兎)/荒野の果てに(三浦しをん)(「BOOK」データベースより)
人気作家による奇跡の短編集
大きなクリスマスツリーや光のイルミネーション、ショーウィンドウには赤や緑に飾りつけされた華やかなマネキン、クリスマスが近づくにつれて、街が別世界のような雰囲気に包まれます。
恋人たちにとっては、恋の魔法にかかりやすくなるロマンチックな日。子供たちにとってはサンタさんからプレゼントがもらえるうれしい日。まさに奇跡の日ですね。
「子の心、サンタ知らず」司法浪人の石井太志はリサイクルショップでアルバイトをしている。リサイクルショップ経営者、伊代子の息子の匡に、彼が密かに立てていたクリスマスの計画を打ち明けられるが、それは伊代子に知られたらクビになるかもしれない計画であった。太志はその計画の片棒を担がされることになり…
特に何予定もなくクリスマスはバイト。他の日ならいざ知らず、この日に限ってはロマンスがないのは寂しい気持ちになる人も。
「日本人男性の七割は『クリぼっち』らしい。」
太志もその七割にもれなく入っているが、司法浪人という大義名分を言い訳にバイトをしている。そのバイト先の経営者、伊代子はとても美人だが、男にもクリスマスにも興味がなさげだ。
何やら、太志にもロマンスの気配があるような、ないような…そして、匡のクリスマスの計画とは?
特別な人や大切な人と過ごすこの日はやっぱり記憶に残る素敵な一日にしたい。これはそんな人たちの6つの奇跡の物語です。
感想
成程、確かにクリスマスの話には違いないけれど、作家さんたちの発想が想像を超えていて面白い。それぞれ個性的が光り、そういう見方があるのだと感心しました。
クリスマスのアンソロジーなのに、ちょっと切ない話だったり、ちょっとホラー風味があったり、お仕事小説のようだったり、未来の話?だったり、お侍さんが出てきたり…ただの王道ラブロマンスと言うわけにもいかないようですね。
うっかり間違えてしまった事で起こるささやかな奇跡から、タイムスリップしてしまう壮大な奇跡まで、クリスマスの奇跡がつまった6つの物語。
読みやすく、後の方に行くにしたがってコミカル度も増してくるので、楽しく読了できしました。
1989年、岐阜県生れ。早稲田大学文化構想学部在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’11年『チア男子!!』で高校生が選ぶ天竜文学賞、’13年『何者』で直木賞、’14年『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞を受賞(「BOOK」データベースより)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1954年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。’97年『バッテリー』で野間児童文芸賞、’99年『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、2005年『バッテリー1~6』で小学館児童出版文化賞、’11年『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(「BOOK」データベースより)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1971年、千葉県生れ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。’04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、’08年『ゴールデンスランバー』で本屋大賞と山本周五郎賞を受賞(「BOOK」データベースより)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1964年、宮城県生れ。早稲田大学卒業。’92年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、’06年『ユージニア』で日本推理作家協会賞、’07年『中庭の出来事』で山本周五郎賞を受賞(「BOOK」データベースより)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
2009年『プールの底に眠る』で、メフィスト賞を受賞しデビュー(「BOOK」データベースより)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
2000年、書き下ろし長編小説『格闘する者に○』でデビュー。’06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、’12年『船を編む』で本屋大賞、’15年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)