2026年5月・6月・7月・8月に読んだ本

読書日記
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2026年5月・6月・7月・8月に読んだ本をまとめました。
人気作家さん、話題の本を中心に読んでいます。

私の満足度・おススメ度でをつけています。

★★★★★ とても良かった!!人に薦めたい!これを読まないなんて、人生損している!

★★★★  とても良かった!充実した時間をありがとう。是非、読んでみてください!!

★★★   読んで良かった。面白かったです。読んで損はない!

★★    少し難しかったかな?あなたの意見を聞かせてください。

     う~ん、今の私には難解だった。また、再挑戦します。

あくまで私の基準です。本選びの参考になればうれしいです。

失われた貌 櫻田 智也

★★★★★

story:山奥で、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた死体が発見された。不審者の目撃情報があるにもかかわらず、警察の対策が不十分だという投書がなされた直後の出来事だった。事件報道後、生活安全課に一人の小学生が訪ねて来て、死体は「自分のお父さんかもしれない」と言う。彼の父親は十年前に行方不明になり、失踪宣告を受けていた。彼は、身元不明の死体が発見されると、同じ確認をしに警察を訪れているという。無関係に見えた出来事が絡み合い、現在と過去を飲み込んで、事件は思いがけない方向へ膨らみ始める。(「BOOK」データベースより

顔をつぶされた死体はただの身元隠しかと思われたが…その裏には戦慄の真実が隠されていた!
このミステリーは、身元不明の変死体の謎を追う刑事たちが様々な証言をもとに推理し、犯人に迫る正統派の警察小説。

主人公は、人生にやや疲れ気味のごく普通の刑事。少しおせっかいで争いごとを好まない彼の性格や、部下との微妙なやり取りが物語に温かみとカジュアルな印象を与えています。そのためリアルな事件を描いた警察小説によくある重苦しさを感じさせず、読みやすい。その反面、ステリーの仕掛けは本格的。さり気ない伏線が至る所にあり、クスッとさせられたり成程と唸らされたりで読者を飽きさせず、衝撃のラストまでページをめくる手が止まらない面白さ。

「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」など各出版社のミステリー賞3冠を獲得した話題の作品。今イチ押しのミステリー小説です。

櫻田智也(サクラダトモヤ)
1977年北海道生まれ。埼玉大学大学院修士課程修了。2013年「サーチライトと誘蛾灯」で第10回ミステリーズ!新人賞を受賞。17年、受賞作を表題作にした連作短編集でデビュー。18年、同書収録の「火事と標本」が第71回日本推理作家協会賞候補になった。21年、『蝉かえる』で第74回日本推理作家協会賞と第21回本格ミステリ大賞を受賞(「BOOK」データベースより)

最後の一色   和田 竜

★★★★★

story:織田信長による天下布武の軍団が日本全土を侵略していくなか、その怪物は戦場にあらわれた。名を丹後の守護大名、一色義員の嫡男・五郎と言った。17歳の青年は、父亡き後の圧倒的不利な状況下で、凄惨な戦闘を繰り広げ、その場にいた全ての人間を恐怖に陥れるー(「BOOK」データベースより)

戦国時代から安土桃山時代にかけては、戦国三英傑をはじめとする名だたる武将がひしめき合った時代。将軍をはじめ、乱世の天下人に仕えた文武両道のエリート武将・細川藤孝(長岡藤孝/雅号は幽斎)の活躍はよく知られています。しかし、その細川家の領有地・丹後国には彼らを脅かしていたもう一人の守護大名がいたことを知る人は少ないでしょう。

歴史にもほとんど登場しない戦国最後の怪物と細川藤孝の息子・忠興の運命の出会いと残酷な歴史の物語を作家・和田竜さんが、100を超える主要参考文献をもとに7年以上の歳月をかけて描き上げました。

戦国の武勇や謀略、エキサイティングな戦のシーンの中で生まれる葛藤と武士の生き様。歴史小説の面白さに加え、個性豊かな登場人物たちとの間に生まれる人間ドラマが見もの。エンタメ要素満載で、激動の時代を分かりやすく楽しめる作品です。

和田竜(ワダリョウ)
1969年12月、大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。2003年、映画脚本『忍ぶの城』で城戸賞を受賞。2007年、同作を小説化した『のぼうの城』(小学館)でデビュー。直木賞候補、本屋大賞2位を経て映画化もされ、累計200万部のベストセラーとなった。2014年、『村上海賊の娘』(新潮社)で吉川英治文学新人賞、そして本屋大賞を受賞し、累計300万部を突破(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

殺し屋の営業術 野宮 有

★★★★★

story:銃は不要。武器は、話術、度胸、論理。営業成績第1位、契約成立のためには手段を選ばない、凄腕営業マン・鳥井。深夜のアポイント先で、刺殺体を発見する。凶行に及んだのは、金で殺人を請け負う「殺し屋」だった。鳥井は口封じとして消されそうになるが、「ここで私を殺したら、あなたは必ず後悔します」と語り出す。そう、これは商談なのだ。「あなたは幸運です。私を雇いませんか?この命に代えて、あなたを救って差し上げます」常識を覆す発想から走り出す、ジェットコースター・ミステリー!第71回江戸川乱歩賞。(「BOOK」データベースより)

2025年の江戸川乱歩賞受賞作品。

真面目に生きてきたけれど、何かが足りないような、生きている実感が乏しい主人公。ひょんなことがきっかけで、日常から一転、アンダーグラウンドの世界へと引きずり込まれてしまいます。真偽が入り乱れる罠の中で命賭けの駆け引きが始まります…。

物語は、裏社会を描いたクライム・ノベルと評するにはためらってしまう程、コメディ色の強い楽しく読めるミステリー。
人生を上手に渡る方法や現代社会の抜け穴なんかを少し覚えた程度の主人公。彼の得意気ながら自嘲めいたつぶやきには、裏ビジネスのノウハウがいくつも紹介されていて、警戒心を養いつつも変に感心させられて面白い。彼の人物像は、悪ではあるのだろうけれど、要領良く生きる現代人の落胆やあきらめが見え隠れし、反感よりも共感できる部分の方が多いのではないでしょうか。

そんな主人公が悪知恵をどんどん発揮していく様は、がんじがらめの現代社会に反旗を翻しているような爽快感と、解放感が感じられます。悪人対悪人の容赦ない騙し合いには、いくつもの謎解きがちりばめられ、勿論ミステリーとしても楽しめ、また先の読めないストーリー展開も満場一致の江戸川乱歩賞大賞納得の面白さでした。

野宮有(ノミヤユウ)
1993年福岡県生まれ。第25回電撃小説大賞で選考委員奨励賞を受賞し、『マッド・バレット・アンダーグラウンド』でデビュー。「少年ジャンプ+」で漫画原作者として『魔法少女と麻薬戦争』連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

ゾンビ回収婦 小砂川 チト

★★★★★

story:AI(やつら)に侵食された世界で、夫とともに職を失ったわたしーーの前にもうひとつの現実がたち顕れた。三十余年良い子で大人になったわたしは、これまでと変わらずに、懸命にひたむきに役割をこなしていく。感謝されず、褒められもしない。それこそまるで「  」みたいに?一気読み必至の圧倒的虚構世界(リアルライフ)。第175回芥川賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

様々な分野で今活用されているVRという技術があります。専用のゴーグルを装着すればあっという間に別世界の住人になれるというVRは、限りなく実体験に近いバーチャルリアリティとして特にオンラインゲームの分野で人気なんだとか。

人間の補助を目的とする受動的な存在から自ら考え動く自律的存在へ。物語は、目覚ましい進化を遂げているAIに居場所を奪われた女性が主人公。理不尽な世の中に納得がいかない彼女がたどり着いた先はインターネット上に構築された仮想空間でした。

病的なまでに仮想現実へ没入する主人公。彼女がAIに悩みを相談する場面や、労働によって思考停止していく過程など、人間と人工知能が入れ替わったような描写は説得力があり、最高の皮肉でもある。感情は人間が持つ美点だと言うが、それこそが諸刃の剣であり、ご都合主義な展開にならないリアルさ、AI依存の危うさが表現されていました。

ページ数が少ないながら考えさせられる見どころが沢山。2026年芥川賞受賞作品。

小砂川チト(コサガワチト)
1990年岩手県生まれ。慶応義塾大学文学部卒業、同大学院社会学研究科心理学専攻修了。2022年、「家庭用安心坑夫」で第65回群像新人文学賞を受賞。同作が第167回芥川賞候補作となる。2024年、「猿の戴冠式」で第170回芥川賞候補、単行本化された『猿の戴冠式』で第37回三島由紀夫賞候補、第46回野間文芸新人賞候補となる。2026年、本作「ゾンビ回収婦」が第175回芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)

カメオ 松永 K 三蔵

★★★★★

story:誠実さと善意、ペーソスに満ちた令和の犬文学。神戸の物流倉庫に勤務する高見は新倉庫建設の工程管理を任されるが、建築予定地の隣地に住む犬連れの男が何かと工事現場にクレームを入れ、勝手に朝礼にも参加するようになる。その男自前のヘルメットには「亀夫」という名前が書かれていた。(「BOOK」データベースより)

芥川賞作家・松永K三蔵さんのデビュー作品。

「人のふり見て我がふり直せ」と、人様の行いの中に何時ぞやの自分を映す事は多々ありますが、人間以外の、例えば飼っているペットに対してそのように思うことはあるのでしょうか。近年は、犬や猫などを家族として扱う意の「ペットヒューマニゼーション」の文化が少子高齢化や単身世帯の増加によって定着しつつあります。人間と対等に扱うことにより、表情や動き等がなんとなく飼い主に似てくる現象は、文字通りペットの人間化なのかも知れません。しかし、それがペットにとってベストかと言われると…

物語は、それなりの日常をこなしているごく普通のサラリーマンが出会った一匹の犬にまつわるお話。クレーマーのオヤジに飼われていた不細工なその犬は、だらしのないオッサンのようでもあり、悟りを開いているかのようにも見える。主人公は、なんとなくそのワンちゃんが気になるのだが…

スッと頭の中に入ってくる文章がとても読みやすく、日常の物語なのにあっという間に引き込まれます。また、描写も押しつけがましさがない為、自然と沸き上がる感情に身を委ねながら楽しく物語に没頭できるでしょう。

「カメオ」の姿に主人公が抱え込んでいた様々な重しを爆散させるクライマックスシーンは心震える爽快感で、「行け、行け!」と主人公に心を重ねました。
心動かされる、純文学を楽しめる一冊。

松永K三蔵(マツナガケーサンゾウ)
1980年生まれ。関西学院大学卒業。六甲山麓を歩くのが日課。2021年、本作「カメオ」で第64回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。2024年、第2作「パリ山行」で第171回芥川龍之介賞を受賞(「BOOK」データベースより)

13階段 高野 和明

★★★★★

story:処刑までの時間はあとわずか。記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすため、刑務官の南郷と元受刑者の三上は調査を開始する。二人が苦闘の末に辿り着いた驚愕の真相とは。圧倒的な筆力で描かれる息もつかせぬ展開、そして深く胸を打つ迫真の人間ドラマ。選考会が満場一致で選出した超弩級の江戸川乱歩賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

2026年8月21日、現政権で初の死刑が執行されました。現在、法律上死刑制度を存置し、実際に執行しているのは、先進国でアメリカと日本の2国のみ。そして日本は、その方法が残虐な刑罰である絞首刑のみと定めている唯一国であり、国際社会から強く廃止を求められているそうです。しかし、我が国では、被害者感情や儒教的倫理観などから、8割を超える世論が死刑を必要悪として容認しているとのデータがあり、様々な議論を呼んでいますー。

その死刑執行の隠語である「13階段」は、戦後、ある拘置所に設置された絞首台への階段が忌み数の13段だったことからきているとか。物語は、まさに死刑囚が死への階段を昇る恐怖を知るミステリー。

元犯罪者と刑務官という完全に信頼の置けないタッグで進む物語はスリリングで、サスペンス、ヒューマンドラマ、ミステリー全てが詰まった重厚なストーリーにページをめくる手が止まりません。
また、死刑を執行する施設の内部や、執行当日の流れ、死刑囚の様子など、リアルな話も描かれており、恐ろしくもあるが、日本人なら知っておきたい事実が沢山。

100万部突破の傑作ミステリ―。深刻なテーマながら読みやすく、考えさせられる一冊です。

高野和明(タカノカズアキ)
1964年東京都生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞。2011年刊行の『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞、第65回日本推理作家協会賞を受賞。同作は「週刊文春ミステリーベスト10」と「このミステリーがすごい!」でも1位に選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK」データベースより)
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